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異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
205/215

経年劣化

「あちらが屋敷の母屋となり、

母屋の向こう側に少し見えているのが離れの建物で、

裏手の方に物置や厩が御座います。」

商業ギルド職員のイイネの案内で、

門から庭園の中を抜け長く続くアプローチを進むと、

イイネが右手を向けながら告げる方向に

大きな屋敷建物が見えて来た。


「へ~、昔の建物にしちゃ割と洒落たデザインで

レトロ感が良い味だしてんな~

でも、一見しっかりしてる様に見えるけど、

アチコチ傷み始めた場所も見て取れるな」

「うん、柱なんかはマダ大丈夫そうだけど、

屋根や壁に傷みが出始めてるみたいだから、

今の内に手を入れとかないと柱もやられちゃう

恐れがあるよね?シュウ兄ィ」

「へ~、そうなのですか?

私には、古い建物にしては凄く綺麗に見えるので

イイネさんに、お聞きしていなければ、

態とレトロなデザインで建築した新しい建物かと

勘違いをしてしまいそうですけどね・・・」

「うん、ふつうにキレイに見えるよな?姉ちゃん」


「そうなのですか?シュウ様、ケン様

私共、商業ギルドでも、

長年に渡り、建物が傷んでは見えない為、

『特殊な保護処理が施されているのでは?』と

考えられて居りました。」


「いいや、俺が見た感じ、

造りは確りしてるし、材料も一級品を使用しているが、

特別な保護処理的な物は施されてねぇな、

にも拘わらず、多少は傷み始めてるものの、

これだけ良好な状態を保ってるんだから、

イイネさんが、さっき言ってたみたいな、

何かしらの超自然的な力が働いてるんだろうな・・・」

「うん、少なくとも魔法を使った時に残る

魔力の残滓的な物が感じられないのは確かだよね?シュウ兄ィ」

「魔法による状態保存は、

通常、定期的に魔法を掛け直さないと

効き目が長持ちしないと聞いた事があります。」

「へ~、まほうをつかわないで

こんなにキレイなんて、ふしぎだよな~」


「やはり、シュウ様方も、そう思われますか、

この建物の調査で訪れた当ギルドの魔法担当の者らも

この建物には魔法的な処理は施されていないと

結論付けたそうです。

それで、魔法を使わない未知の保護処理が

施されていると思われる・・・と

報告書には記載されて御座いました。」


「いいや、建築のプロとして断言するが、

あの建物には、特別な防蝕処理は施されてねぇな、

定期的な補修工事が行われて居なきゃ

ホントだったら今頃、

あの建物は、ボロボロのお化け屋敷に

なってなきゃ変なんだよ」

「そうだよね、庭に植えてある木々の根付きと

育ち方の大きさから見ても、

この建物が建てられてから少なくとも100年以上は

過ぎてると思うもんね」

「そう言われて見ると、

ここの庭の木々は、みな幹が太く大きな木が多いですね」

「うん、大きな森にはえてる木みたいだよな、姉ちゃん」


「はい、ケン様が仰る様に、

この建物が建てられてから築150年に上ると

お聞き及びして御座います。」


「そうなると、この建物の傷みが少ないってのも、

ここを買おうとした客に何かしらの不幸が訪れるのと

無関係じゃ無ぇのかも知れねぇな・・・

まあ、取り敢えずは、

建物の外から調べて回る事にして、

後から中に踏み入れて調べる段取りにしようぜ」

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