表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
204/215

現地視察

「それでは皆さん、只今から御案内を致しますね」

シュウが購入を考えている物件の簡単な説明を終えた

商業ギルドの職員イイネは、

シュウの『実際の物件を見てみたい』とのリクエストに

答える形で、案内をする運びとなった。


「おう!宜しく頼むぜ」

「お手数をお掛けします。イイネさん」

「ご一緒させて頂きます。」

「よろしくな、イイネの姉ちゃん」



イイネの案内でピョロリの街中を進むシュウら一行は、

ミケルンが勤める『ニャンでも百貨店』がある

大きめの通りから少し外れた閑静な住宅街を進み

程無く長いレンガ積みの塀に囲まれた

住宅内でも一際広めの敷地を誇る邸宅へと辿り着いた。


「こちらが先程、お話をさせて頂いた御物件となります。」

長い塀の中央にある鉄格子で作られた門の前で立ち止まると、

イイネが、シュウらに向かって告げる


「へ~、暫く売りに出して無かった割には、

それ程、庭とかが荒れて無いんだな」

シュウが言う様に、鉄格子の向こうに覗いている庭は

それ程、荒れ果てている様には見受けられなかった。


「はい、然程高い頻度ではありませんが、

時々、庭師の方に入って頂いて、

手入れの方をして頂いておりますので・・・」


「庭師の人には、何か良くない事が起こったりなんかは

しないのか?」


「はい、当初はソレを気にしていたのですが、

おかしな事が起こるのは、

あの土地・建物を売買しようと考えている方のみに

限定されている様なのです。」


「へ~、そりゃ益々、

話が怪談染みて来た感じだな」

「うん、怪談なんかに、

良くあるパターンだよね、シュウ兄ィ」

「その様な建物のご購入を考えられるなんて

大丈夫なのですか?シュウ様」

「兄ちゃんたち、お化けがでたら

やっつけてくれよな」


「それでは、敷地の中へとご案内を致しますね」

イイネは、シュウらに、そう告げると

ポケットから取り出した大きな鍵を

門扉の鍵穴へと差し込みガチャンと回す

イイネが鍵をポケットへと戻し、鉄格子を手で掴んで押すと

ギ~ッという金切り音を発てて門が開いた。


蝶番ちょうつがいが油切れしてるみたいだな」


「それが、何度油を注しても、

建築業ギルドの方に調整をして頂いても、

直ぐに音鳴りする様になってしまうんですよ・・・」


「イイネさん、態と太陽を背にして

顔に影が落ちる様に雰囲気を作って話すのを

止めて貰っても良いか?」

「ハハハ、イイネさん役にハマってるって

感じですね」

「ええ、とても雰囲気がありました。」

「こえ~よ!イイネの姉ちゃん」


「オホホホ、シュウ様が全然怖がっていらっしゃる

御様子で在られませんでしたので、少し演出してみました。」


「まあ、俺は、どっちかって言うと、

死んだ者よりかは、生きてる者の方が恐ろしい派だからな」

「そう言えば、シュウ兄ィって

オカルト物とか全然怖がったりしないよね」

「私は、両方とも怖いと思います。」

「え~、オレはお化けの方がコワいと思うけどな~」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ