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異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
20/215

日本人のDNAに刻(きざ)まれているらしい

「それじゃあ、俺達は出発します。

色々とお世話になって、ありがとう御座いました。」

昨夜ゆうべはご馳走様ちそうさまでした。」

歓迎かんげいうたげが開かれた夜が明けて、

シュウとケンの2人は次なる目的地の『アナポーの街』へと出発しようとしていた。


「気を付けて行かれるんですぞ」

「また何か新しいアイデアが閃いたら連絡して下さいね」

「2人とも元気でな」

昨夜の宴が大いに盛り上がった事と、

2人の出発が早朝という事もあって、

ラッセン村からの見送りは村長のヒジガミと、そのおいのヒザガミ、

そして、2人をこの村へと案内したフツーニの3名であった。


「はい、皆さんもお元気で、

また機会きかいがあったら村に寄らせて頂きます。」

「何か考え付いたら手紙出しますね」


「おお~い!待ってくれ~!」

その時、大きな土煙つちけむりを上げてもうスピードで、

大声をはっしながらけて来る者があった。


「ああ、タカムーラさん、

俺達の見送りに来てくれたんですか?」

「ありがとう御座います。」


「2人とも朝だからって立つのが早すぎるぜ」


「いや、『立つ』じゃなくて『つ』ですからね」


「俺もフツーニと同じく、

2人から魔法が付与ふよされたすごい弓をもらったのに、

まだ、ちゃんとしたお礼を言って無かったからな」


「いえ、タカムーラさんにもお世話になったので、

ほんのお礼の気持ちですから、気にしないで下さいよ」

「同じ物で芸が無くてすみません」


「いやいや、俺達ケンタウロス族は、

弓と下ネタに関しては、この世界で随一ずいいちだからな、

この弓さえあれば、この近辺で並ぶ者無しだぜ、

まさしく『テンガで夢精むせい』ってヤツだな」


「それを言うなら『天下無双てんかむそう』だろ!」


「おいおい、聞き捨てならない事を言うなよタカムーラ、

俺だって同じ弓を貰った

この道20年のベテラン猟師だぞ、

こと弓に掛けてはケンタウロス族の、お前にだって引けを取らんさ」

タカムーラの言葉を聞いたフツーニが、クレームを付ける


「ほう、ケンタウロス族に置いて、

棒状ぼうじょうのモノをにぎらせれば、

右に並ぶ者無し※ただし左にはあり』としょうされた

この俺に弓で勝てるって言うのか?」


「ああ、弓では負けねぇぜ!」


「じゃあ、これから森に行って狩りで勝負してみるか?」


「おう!こちらこそのぞむところだぜ!」


「おいおい、2人とも狩りで勝負に行くのは良いが、

ちゃんと、シュウ君とケン君を見送ってからにしろよ」

そのままのいきおいで狩りに出掛けそうな雰囲気ふんいきの2人を、

村長がたしなめた。


「おお、そうだった今朝は2人の見送りに来たんだったな」

「ああ、あやうく忘れて飛び出してイクところだったぜ、

そう言えば、シュウ達に聞こうと思ってたんだが、

昨日、サスケ陛下と親しく話していた様だが、

2人は温泉って知ってるか?」


「ええ勿論もちろん、知ってますよ、

俺達は温泉が大好きですからね」

「よく、休みの日を使って家族で入りに行ってたよね」


「じゃあ陛下が造った

ケモイヤー村にある、大露天岩風呂温泉は知ってるか?」


「えっ!何ですか、その非常に興味きょうみをひかれる、

魅惑的みわくてきなネーミングは!?」

「名前を聞いただけでワクワクするね!」


「この国の北東のはじにあるケモイヤー村で、

陛下が温泉を掘り当てて造ったんだよ、

名物料理なんかも美味いから、2人とも機会があったら行ってみた方が良いぞ、

体の大きな俺達ケンタウロス族でも、ゆったりとかれる広大な露天風呂に、

じっくりと時間を掛けて入ってると『アソコがモコモコ』してくるんだ」


「それを言うなら『体がポカポカ』だろ!」


2人は、タカムーラから思いも寄らない有用ゆうような情報をもらい、

ラッセン村を後にした。


「え~と、向かう先は『アナポーの街』だったな・・・おっ、あったあった

ここから大体、80キロぐらいの場所にあるみたいだな、

ナビをセットしたから向かうとしようぜ」


「オッケー、シュウ兄ィ」

シュウが『亜空あくうトレウス』の助手席でカーナビをセットしたので、

運転席に着いたケンが発進させた。


「それにしても、この世界に来て初めておとずれた村が、

ラッセン村みたいな良い所で良かったな」


「うん、中には排他的はいたてきな場所もあるだろうからね」


「ああ、それに温泉の情報が手に入ったのは大きいな、

落ち着くまでは行けないだろうけど、

その内、時間に余裕よゆうが出来たら行ってみたいよな」


「うん!絶対に行こうよシュウ兄ィ」


アナポーの街へと、2人を乗せて街道を進む『亜空トレウス』は、

2人の魔力を動力源としている所為せいか、

普通のガソリンエンジンを積んだトラックの様な、

大きなエンジン音は無く、

その静粛性せいしゅくせいと進行速度の速さから、

魔獣におそわれる事も無くスイスイと進んで行く

「そう言えば、サスケ陛下から頂いた白金貨なんだがな」


「うん、な~にシュウ兄ィ?」


「あのお金には、なるべく手を付けない様にして旅を続けようと思うんだ」


「うん、僕もその方が良いと思うよ、

ヒザガミさんからもらった食卓セットの代金もあるからね」


「ああ、そうだな、

サスケ陛下が、本当に困った時にだけ使う様にと、

俺達を信頼してさずけて下さったんだから、

次に陛下にお会いする時まで、何とか手を付けずに切り抜けて行こうぜ」


「うん!分かったよシュウ兄ィ、頑張ろうね」




(そう思っていた時が、俺たち兄弟にもありました・・・)


「はい!確かに白金貨1枚、1000万ギルのお支払しはらいをいただきました。

こちらが領収書りょうしゅうしょとなってりますので御確認ごかくにん下さいませ、

またの当店のご利用をお待ちして居ります!」


「「はい・・・」」

(まさか、次におとずれたアナポーの街で早くも手を付ける事になるとは、

俺達も思っても見ませんでした・・・)

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