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異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
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現状の把握

「う・・・う~ん・・・」

秀太は、深く沈み込んでいた自らの意識が、

ゆっくりと浮上してくる心地よい感じを味わっていた。


「ふわ~っっ・・・良く寝てたみたいだな~って、えっ!?」

心地よい一時ひととき微睡まどろみから抜け出した秀太は、

自分が、見慣れたトラックの助手席に腰掛けているのに気付いた。

周囲を見渡して見れば、一面の草原が広がって居り、

目の届く範囲には、人工物と思われる物が存在しない事が見て取れる


「え~と、何でこんな所に居るんだっけ?

確か、今朝は憲太が運転するトラックで仕事場に向かってて・・・あっ、そうだ!

道路に飛び出したネコを避けようとしたら光に包まれたんだったっけ、

と言う事は・・・やっぱり、そうか・・・ハァ」

秀太は、隣の運転席で意識を失っている憲太の姿を見て、

現在、自分達が置かれている状況じょうきょうを、何となくではあるが把握はあくして、

深くため息をついた。


「憲太がそうなら、俺も・・・やっぱり、そうだよな」

秀太は、自らの手を見てから、

トラックのルームミラーの角度を調整して自分の顔を確認し、

先程の自分の予想が当たっている事を確認した。


「う、う~ん・・・」

秀太の声に反応したのか、弟の憲太も目を覚ました様子だ


「ふわ~っっ、良く寝たな・・・あれ、どこだココ?

うん?君は誰かな・・・って、どこかで会った事があるよね?」

目覚めた憲太は、まず自分がどこに居るのか分からない事に疑問を覚え、

次いで、隣の助手席に座っている見た事がある様な気がする人物に、

身元を尋ねた。


「ああ、十年ぐらい前には毎日、顔を合わせていたな」


「十年ぐらい前って事は、君が小学生の時って事かい?」


「いや、十年前でも、こんな感じだったぞ」


「いやいや、十年間も年を取らないなんてあり得ないでしょう

見た所、君は高校生ぐらいに見えるけど・・・高校生?

ああ~っ!?高校時代のシュウ兄ィの顔だ~!?」


「いま頃、気が付いたのか鈍いヤツめ、

ちなみに、若返っているのは俺だけじゃ無いぞ」

秀太は、そう言いながら、

ルームミラーの向きを憲太の方向へと変えた。


「うわっ!?ホントだ僕も若くなってるよ、

髪が少し伸びてるって事は、部活を引退した中3の頃の顔かな・・・?」


「そうだな、俺が高3で、お前が中3の頃だろ、

そして、現状をかんがみて俺がみちびき出した答えは、

俺達が、今現在居るのは地球では無くて、どこかの異世界って事だ」


「異世界って、良くシュウ兄ィが読んでる小説みたいな世界って事?」


「ああ、俺の予想の通りだとすれば、

ここは、剣と魔法を武器に魔獣と戦ったりする世界だな」


「人工物が全然見えないから、科学が余り発展していない世界っていうのは分かるけど、

何で魔法があるって思ったの?」


「それさ」

秀太は、トラックの運転席前のパネルを指差した。


「えっ?何か、いつもと違う所があるかな・・・って、

燃料計のとこがMPって変わっている!?」

憲太の視線の先では、MPと名を変えた燃料系が、

段々と満タンへと目盛を増やして行っていた。


「ああ、MPは恐らくマジック・パワーの略で、

このトラックは、ガソリンじゃ無く、俺達の魔力で走る様に変わったんだな」


「へ~そうなんだ、見た所、燃料計以外は変わった様には見えないのにね、

でもシュウ兄ィ、僕達の魔力で走るって事だけど、

トラックにたくわえられた魔力が無くなったら、どうやって補充すれば良いのかな?」


「多分だけど、今みたいに自動で俺達から吸い上げるんじゃねぇかな」


「ええっ!?自動で吸い上げるって事は、

僕達の魔力が、段々と減ってってるって事だよね?

それって、大丈夫なの?」


「ああ、こうしてても、

全然、何かを吸われてってるって感じがしないだろ?

これは、俺達の魔力量が、とんでもなく多いか、

トラックの魔力消費率が凄く良いかって事だと思うんだ

でも、今はトラックを走らせて無い状態だから、

恐らく、前者が正しいんだろうな・・・」


「ふ~ん、僕達の魔力量ってやつが多いんだ

それって、どの位あるとか調べられるの?」


「ああ、多分、分かると思うぞ、

『ステータス・オープン』・・・おお!出た出た。

憲太も、俺が今、言ったみたいに言ってみろよ」


「うん、『ステータス・オープン』・・・あっ!何か透き通ったパネルみたいのが出たよ!」


「そこに書かれてるのが、憲太のステータス・・・能力値みたいなもんだな、

HPってのが体力みたいなもんで、MPってのが魔力量だ」


「ふ~ん、それは分かったんだけど、

他にも何か色々と書かれてるよね、これらの意味が分からないんだけど・・・」


「う~ん、俺からは自分のステータスしか見えないんだよな、

え~と、こうすれば良いかな・・・どうだ?俺のステータスも見える様になったか?」


「うん、シュウ兄ィのも見える様になったよ!

どうやれば良いの?」


「何、簡単な事さ、頭の中で俺にもステータスを見せても良いって念じれば、

見える様になる仕様だな」


「それなら、最初から誰にでも見える様になってれば良いのにね」


「いや、こういう世界では自分のステータスを秘匿ひとくするのが常識なんだよ、

どんな強いヤツでも弱点を突かれたら、思わぬ窮地きゅうちに追い込まれたりするからな・・・」


「ふ~ん、そうなんだ、じゃあ普段は隠して置いた方が良いって事か」


「ああ、俺達の場合は、

このステータスを見ると他の世界から来たって一発でバレるから、

お互い以外には、無闇に見せない方が良いな」


「分かったよ、シュウ兄ィ」


名前:シュウ

年齢:18

レベル:29

職業:大工

HP:290

MP:3500

スキル:身体能力上昇・状態異常無効・格闘技全般・武器使用全般・

    建築魔法(切り出し、刻み、建て方、造作ぞうさく、能力付与)

称号:世界を渡る者、ネコを救いし者、


名前:ケン

年齢:15

レベル:26

職業:大工

HP:400

MP:2600

スキル:身体能力上昇・状態異常無効・剣術(極)・

    建築魔法(土木、基礎、刻み、建て方、造作)

称号:世界を渡る者、家庭を守りし者、

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