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異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
186/215

こ、この素材は!?

「へ~、この黒っぽい金属の板って

黒魔鋼っていうのか~

爺ィは、黒魔鋼って金属の事、知ってる?」


「はい、坊ちゃん

黒魔鋼は、魔力の伝導率が良い事から、

魔導具に使われたり、

冒険者の方々が使われる武器などに

使われて居りますな」


「流石、バトリャ~さんは元、

商会の会長さんだけあって、

素材なんかに関しても詳しいな、

この板、コンロの上に付いてる板なんで

天板てんばん』って言うんだけど、

この天板の他にも、

内部の熱源として黒魔鋼のコイルが

使われているんだぜ」


「コイル?」


「ああ、ピョロ君

コイルってのは、凄く細長い棒状にした金属を

こんな風に渦巻き状にした物を言うんだよ」

シュウは、仕事着のカーペンターパンツの

ポケットに入っていた

建物などに寸法を出す時に使う水糸みずいとを取り出すと

自らの指へとグルグルと巻きつけて、説明をした。」


「その、コイルっていうのを如何どう使うの?」


「坊っちゃん、職人の方々の技術を、

そう細かく尋ねるのは・・・」


「ああ、別に構わないよ、バトリャ~さん

ただ単に、黒魔鋼製のコイルを使ったからって、

これと同じ性能のコンロが造れる訳じゃ無いからな、

コイツを造るのには、

商業ギルドにも協力をして貰って、

色々と試行錯誤を繰り返しながら開発をしたって

経緯があるから、

そう簡単には真似が出来ない仕上がりになってるんだよ」


「ほう・・・では、商業ギルドには、

このコンロのシステムを知る者が居るという訳ですな」


「はい、バトリャ~様

当ギルドの開発部の者達が、

シュウ様やケン様と共に開発に当たらせて頂きましたので、

システム構造などの技術を把握させて頂いて居ります。

今までには無かった発想の技術でしたので、

当ギルドでも、特Aクラスの守秘技術として登録をされる

運びとなりました。」

それまで、黙ってシュウらの会話を聞いていた

商業ギルドのイイネが、そう発言をする


「まあ、コッチでは今まで無かったって言っても、

俺やケンの暮らしてた国では、

今一つ流行らなかったシステムの、焼き直しなんだけどな・・・」


「何で、シュウ達の国では流行らなかったの?」


「俺らの国には、黒魔鋼が無かったからな、

鉄なんかの金属で、

同じ様な構造のコンロを造ってたんだけど、

それだと、熱効率が今一つなんで、

高温を継続的に維持するっていう事が出来なかったんだよ、

それで、このシステムに関しては当初、

今回の開発をする際には除外して考えてたんだけど、

前に、ラビ子から黒魔鋼について聞いた話を思い出してな、

試しにソレを試してみたら大成功だったって話さ・・・」


「へ~、じゃあ、ラビ子ちゃんには感謝しなきゃだね」

「得てして、過去の記憶から、

新しいアイデアが生み出されるという事は、

ままにして有りますな」


「ああ、今回の技術を商業ギルドに登録した事で、

今後、この技術を利用して生み出され

販売された商品に対して、

何パーセントかの技術提供費が入って来るんだけど、

新しく商業ギルドに開設したラビ子とウサ太の口座にも

4分の1づつ振り込まれる様にしたんだよ」

シュウらの普段の生活費としては、

途中の街や村などに立ち寄った際の修繕費や、

手が空いた際に作成する家具類などの販売費で、

十分に送って行けるので、

アナポーの街にあるコウヤサン教会からの

コウヤサン・ウォーターの売り上げの一部や、

今回の技術提供費の分は全額、

将来に備えて4人の口座に、

4分割されて振り込まれる手筈となっていた。

当初、ケンは、

将来、日本に帰る自分の分は必要ないと言っていたが、

日本に帰る際の、嫁や子供へのお土産の資金として

貯金をして置けば良いと、

シュウが説得をしたのであった。

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