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異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
184/215

ぶ~らぶら

「この、湯船になみなみと湛えられている湯は

どこかに水を溜めて置く設備でも設けて、

それを沸かして居るのか?」

風呂の水源が気になった建築業ギルドのマスター

メークソが尋ねる


「いや、溜めてある水じゃ無くて、

地下を流れていた水脈から引いてるんだよ、

最初は、温泉でも掘り当てられたらなぁ~とか

考えていたんだけど、

この辺には火山帯が無いそうだし、

もし温泉が出たとしても、

地下施設じゃ、火山性のガスとかが怖いからな、

ケンが魔法で、ここの穴掘りしてた時に見つけた

水脈を利用して、風呂の水や、

飲料水なんかを確保してるんだよ」


「ほう、ケンの魔法は水脈まで探せるのか」


「いや、探し当てた訳じゃ無くて偶々だな、

元々は、建物の基礎を造る時に、

地盤が弱いと建物が傾いたり歪んだりするんで、

地中の堅い岩盤まで、石の柱を通して、

建物が傾かない様に支えるんだけどよ、

その際に、岩盤までの距離とか、

間に邪魔物が無いかとかを調べてて、

水脈を見付けたんだとさ」


「へ~、建物を建てる際は、

そんな事にまで、気を配らなきゃならないんだね」

「はい、坊ちゃま

確かに私も、地面が沈み込んで、

建物が傾いたり、使用出来なくなる事があると、

聞き及んだ事がありますな、

何でも、柱や壁などが歪んだ建物に住み続けますと、

精神に変調をきたすと言う話を聞いた覚えがあります。」


「えっ!?そんな事があるんですか!?」

驚いた表情で、商業ギルドのイイネが問い掛ける


「ああ、その手の話しなら、俺も聞いた事があるぜ、

これは、実際に起こった悲劇らしいんだが、

ある幸せな家族が新しい家に越したところ、

父親の様子が段々とおかしくなって行って、

最後は、自分が愛していた家族を皆殺しにして、

自らも命を絶ったっていうんだ

司法が様々な角度から原因を調べた結果、

地下の水脈の水位が下がり、

それに因って地面が沈み込んで建物が歪み、

父親の精神が異常を来して

凶行に及んだって結果が出たんだとさ」


「うわ~、怖い話だね、

建物の歪みだけで、そんな事が起こるんだね」

「シュウ殿の話は、極端な例なのでしょうが、

実際に、その様な事が起こったと言うのは

驚きの一言ですな」


「ああ、この症状が怖い所は、

人によって影響の度合いが異なるんで、

原因として発見され難いところなんだそうだ

全然、異常を感じない人も居れば、

何となく気持ちが悪くなる程度の人

そして、この父親の様に完全に

おかしくなってしまう人も居るって訳だな・・・」


「うむ、確かに職人でも、

柱や壁の、水平や垂直に敏感な者も居れば、

下げ振りや、水平器などを使わねば、

分からぬ者も居るからのう」


「メークソ、その『サゲフリ』って何なの?」

「私も初めて耳にしましたな」


「ああ、下げ振りというのは、

職人が垂直を出すのに使う道具でしてな、

簡単に説明をすれば、

垂直を出したい柱や壁の近くに、

先に重りを付けた糸を垂らしますと、

真っ直ぐと下に向かって下がりますので、

その糸に合わせて柱や壁を立てれば、

正確に垂直に立てられると言う訳ですな」


「へ~、それを考え付いた人って凄いね」

「人の知恵とは大したものですな、坊ちゃん」


「ちなみに、水平器にも色々と種類があるんだが、

俺やケンが使っている、

透明な管の中に、液体と気泡を閉じ込めて、

気泡が管の真ん中にくれば水平になる物や、

透き通ったホースを使って、

中に入った水の水位を合わせる事で、

水平を出す物もあるんだぜ」


「うむ、職人の多くは、

頑丈な魔獣の腸を利用した水位式を

使って居る者が主流じゃな」


「気泡式に使う、

透明な管を作るのって難しそうだもんな」

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