表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
176/215

同量の金と等価

ジュワ~!!

鉄板の上に乗せられた細打ち縮れ麺が、

食欲を催させる良い音を奏でだす。


シュウの指示通りに、

もう一通りの肉と野菜を焼きあげ大皿にて提供したラビ子が、

先程までより、やや小ぶりに切った肉や野菜を軽く炒めた後に、

シュウより渡されたヤキソバ用の麺を投入したのだ。


「へ~、麺を鉄板で炒めるのか、

この前、街のレストランで食べたパスタとかいう

麺料理とは、また少し違うみたいだね、爺ィ」

「そうですな、坊ちゃん

パスタの麺は、もう少し太かったし、

麺を茹でてからフライパンで炒めてましたからな」


「ピョロ君達は、パスタを食べた事があるのか、

油を使って麺を炒めるってとこは似てるけど、

このヤキソバって麺料理は、

まったくの別もんって思った方が良いぜ、

そうだな・・・パスタが上流階級も視野に入れた料理と考えると、

このヤキソバは、庶民の胃袋を満たす事にのみ、

焦点を絞った料理ってとこかな・・・」


「ハハハ、言い得て妙だね、シュウ兄ィ」

「はい、ヤキソバの『あり方』を良く表した言葉だと思います。」

「オレは、ウマけりゃナンでもいいとオモうけどな」


「ラビ子、麺に良い感じの焦げ目が付いてきたから、

そろそろ、粉ソースを投入していいぞ」


「はい、シュウ様、

この粉ソースは、お湯に溶いたりしなくても宜しいのですか?」


「ああ、そのままで上に振り掛ければいいぞ、

お湯で溶いた方が均等に味付け出来るのかも知れないが、

所々、味の濃い所とか、薄い所があったりするのも、

バーベキューでのヤキソバの醍醐味だからな」


「はい、畏まりました。

では、このまま振り掛けるとしますね」

ラビ子が、いくつかの銀色の小袋の封を切り

麺の上に振り掛けた後、フライ返しにて掻き雑ぜると、

ジュワ~!という小気味の良い音と共に、

食欲を掻きたてるソースの焼ける匂いが周囲に立ち込めた。


「うわ~!初めて嗅ぐ香りだけど、

何か、お腹が膨れて来てても、

また食べたくなる様な良い香りだね」

「そうですな、坊ちゃん

私も初めての香りですが、

多くの香辛料や果実類などのブレンドを感じさせる、

芳醇で濃厚な香りですな」


「お~!凄ぇな、バトリャ~さん

この香りを嗅いだだけで、

ソースに、沢山の香辛料と果実類が使われているのを見抜くなんて、

流石は、大きな商会の元会長を務めていただけはあるな」


「いえいえ、私などはマダマダですな、

食料を専門に扱う商会の重役などは、

この香りを嗅いだだけで、

どんな香辛料や果実類が使われているのかまで

ある程度の当りを付けられると思いますからな、

私の知ってる大きな商会の商会長殿の奥方に、

オオカミ獣人の御方がいらっしゃるのですが、

その御方は、夫である商会長殿が帰宅した際に、

昼間、どんな香辛料を使った料理を食されたかまで

ズバリ見抜かれたそうですからな、

よく、それでは絶対に浮気などは出来ませんなと、

2人で笑い合ったものですよ、ハハハッ」


「ハハハ、そりゃ確かに凄いですね、

ちなみに、その奥方って大きな狼に変身出来たりはしませんよね?」

「ハハハ、商人と、オオカミ獣人の女性の組み合わせと来ると、

確かに、その名作が思い浮かぶよね、シュウ兄ィ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ