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異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
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先行投資

「では、それ程の大金をお持ちなのだから、

この村で家具を販売されるのはめにしますかな?」

サスケより受け取った

5千万ギルもの大金を所持しょじしている事が判明はんめいしたシュウ達に、

村長が、そうたずねた。


「いえ、まだ自分達のお金か確認が取れている訳じゃ無いんで、

お願いした通りに、お買い上げをお願いしたいと思います。」

「うん、その方が良いよねシュウ兄ィ」


「ふむ、分かりました。

では、その村で売りたいと言う家具を見せて頂きますかな?

村で雑貨屋を営んでいるおいが居ますので、

呼んで買い上げる価格の相談をしたいと思います。」


「分かりました。

家具は、食卓と椅子のセットで、

村の駐車場に停めてある魔導車に詰み込んであるのですが、

何分なにぶんにも、大きな物なので嵩張かさばりますから、

荷車にぐるまをお借りしてもよろしいでしょうか?」

「取りえず1組運んで来れば良いよね」


「それはかまいませんが、

シュウさん達は『魔導バック』をお持ちでは無いのでしょうか?」


「魔導バックですか?

ええ、俺達は持っていませんが、

それは、どの様な物なんですか?」

(まあ、名前からして大体だいたいの想像は付くがな・・・)


「そうですか、それは失礼しました。

最近では自分で商売をしている人は、ほとんどの方がお持ちなんでうかがったのですが、

魔導バックというのは、カバンの中に空間魔法を使って広い空間を造りだし、

バックの大きさからは考えられない程の荷物を収納出来るんですよ」


「へ~、それは便利そうな魔導具ですね、

でも、空間魔法というと珍しそうな感じがしますから、

かなり高価な品物になるんじゃ無いのですか?」

「うん、すごく高そうな感じ・・・」


「ええ、確かに昔は、かなり高価な値段で取引されていたのですが、

最近ではコウガ王国より、安価で高性能な物が出回って来たので、

お持ちになっている方が増えていますよ」


「そうなんですか、村長さんのお話をお聞きした感じでは、

かなり便利そうな品物なので、

俺達も機会きかいがあったら、是非ぜひ購入こうにゅうしたいのですが、

どのくらいの価格で売られている物なんですか?」

「出来れば欲しいよね」


「そうですな~、機能きのうによって多少の値段の違いは御座いますが、

シュウさん達の様な大工職の方がお使いになる物であれば、

縦横50メートル、高さ3メートル程の空間が付与された物で50万ギル程ですかな」


「思ったより高く無いんですね」

「そうだね」


「ええ、一昔前なら10倍の値段でもまったくおかしくは無いのですが、

コウガ王国で優秀な魔導具職人が現れてからは安く取引される様になりましたな」


「コウガ王国というとサスケ陛下の国か、

陛下に頼んでゆずってもらえば良かったかな?」

「陛下も簡単に手に入ると知ってたんじゃない」


「では、荷車をお貸ししますので、

家の裏手うらてにある納屋なやまでご案内をいたしますな」


「「はい、お願いします!」」


村長に荷車を借りて、

亜空あくうトレウスまで食卓と椅子いすのセットを取りに戻った2人は、

魔導通信機を使ってサスケに連絡を取ってみた。


「こちらシュウですが、サスケ陛下応答願います。」

シュウは、サスケから受け取った魔導通信機の通話ボタンを押してから、

マイク部分に向けて話し掛けた。


『おう!こちらサスケだ

シュウ、さっき振りだな、どうかしたか?』


「ええ、少しご確認したい事がありまして、

陛下から木刀ぼくとうの代金として受け取った銀貨ですが、

ラッセン村の村長さんが白金貨ではないのか?とおっしゃるんで、

確かめようかと思いまして・・・」

「陛下、間違えたんじゃ無いんですか?」

シュウは、魔導通信機がつながったので、

ケンにも聞こえる様にハンズフリーに切り替えてから質問をした。


『もうバレたのか?

俺としたら、シュウ達が大きな街で買い物をしようとしたら判明して、

大騒ぎになるっていう展開を期待して居たんだがな・・・』


「やっぱり分かってて渡したんですね、

陛下、魔法が付与してあるとは言え、

木刀に5千万ギルは過分かぶんだと思うのですが」

「そうだよね」


勿論もちろん、この木刀は便利だが、そこまでの価値は無いな、

その金は、これからのお前たちの活躍に期待している、

俺からの先行投資せんこうとうしって考えてくれよ、

俺の経験からすると、日本からコッチに召喚しょうかんされた者達は、

間違い無く何らかのトラブルに巻き込まれる運命にあるみたいだからよ、

金で解決できる問題だったら、その金を役立ててくれや』


「でも、こんなにもの大金をタダでいただく訳には・・・」

「申し訳無いもんね」


『じゃあ、シュウ達が気になるんだったら、

何時いつの日か、俺の国に来る事があったら、

城の一角いっかくに和風の住宅を建ててくれないか?』


「和風の住宅ですか?」


『おう!俺がコッチに来てから長い事経ことたつんで、

コッチの生活には十分にれたんだけどよ、

たま無性むしょうたたみの上に寝転ねっころがってみたくなる時があるんだよ、

あっ!あと風呂桶ふろおけ総檜造そうひのきづくりで頼むぜ、俺は風呂に入るのが好きなんでよ』


「分かりました!

俺とケンで最高の家を建てる事をお約束します。

風呂桶はひのきがコッチにあるかが分かりませんので、

旅の最中に同じ様な木材を捜し出してお造りしますね」

シュウは、サスケの厚意こういを受け入れる事にした。


『おう!頼んだぜ

そんじゃ、要件ようけんはこんなとこか?』


「はい、そうです。」


『そうか、そんじゃまた何かあったら連絡くれや』


「「はい、ありがとう御座いました。」」

2人は、サスケに礼をげてから魔導通信機の通話を切った。

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