表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
168/215

魔法金属

「そんじゃ、間仕切壁まじきりかべ下地したじから始めるから、

ラビ子とウサ太は、この材料を図面で壁になっている場所に、

3本づつ置いてってくれるか?」


「はい、畏まりましたシュウ様」

「シュウ兄ちゃん、なんで3本づつなんだ?

ユカとテンジョウにやってくなら、2本でいいんじゃないの?」


「ああ、それか、良く気付いたなウサ太、

それはな、一応は魔法で固めてあるとはいえ下は土だろ?

足元から冷えて来ない様に、床を少し嵩上げする様にして、

断熱材的な役割をする、乾燥させた草を入れてくから、

その高さに壁も合わせてあるんだよ」


「へ~、そのタメなのか~」


「よし、ケン、

俺達は、ラビ子達が材料を配って歩いてくれてる間に、

壁下地の墨を打ってっちまおうぜ」


「オッケー、シュウ兄ィ」


ラビ子とウサ太が、細長い壁下地用の材料を配っている間に、

シュウとケンは、トレウスの荷台にある謎空間内の倉庫に置かれていた

墨壺すみつぼを使って下地の墨を出し始める

墨壺とは、日本でも良く使われている、

墨を含んだ綿やスポンジの間を通した糸をピンと張り、

真っ直ぐな線を床や壁、天井などに出す道具なのであるが、

当初、シュウ達は『異世界に来ても、魔法を使うんじゃ無くて、

普通に墨壺で墨出しするんだな~』ぐらいに考えて使用していたが、

使用している内に、どれだけ糸を伸ばしても線がぶれないし、

墨の濃さもかすれて来ないのに気付き、

見た目は変わらなくても、一応は魔導具なんだなと感心をした。


一通りの墨を出し終わり、

ラビ子らの材料配りも終わったので、

シュウ達は早速、床の下地から造り始める事とする

ラビ子とウサ太に、床に打たれた墨に合わせて材料を置いて貰い

シュウとケンが、魔導釘打ち機でバス!バス!バス!と、

それを留めて行く作業が続く、

すると、ふと気付いた様子でウサ太がシュウに尋ねる


「シュウ兄ちゃん、兄ちゃんたちがツカってるドウグって、

クギがなくなんないのか?」

ウサ太は、作業を始めてから一度もシュウらが、

釘を補充していない事に気付いたのである


「ああ、良く気が付いたなウサ太

本来の釘打ち機なら、この本体の下の方にある丸い部分が、

カートリッジになってて、無くなったら釘の補充をするんだが、

コイツの場合は、タダの飾り的なもんみたいで、

実際には、俺やケンの魔力を消費して釘を造り出してるみたいだぞ、

まあ、電機やエアなんかの動力源を使用していないコードレスな段階で、

コイツが魔導具だってのは分かるがな・・・」


「そう言えば、シュウ様、

シュウ様方が打たれている釘って、

何となく青みがかって見えますよね、

この見た感じからして、普通の鉄製では無いのですか?」

ウサ太の質問に答える為に、シュウが一時、

作業の手を弛めるのを見たラビ子が、

そう質問をする


「ああ、やっぱ気付いたか、

この釘は、鉄じゃ無くて、

なんか、ミスリルとかいう金属の合金らしいぞ?」


「ミスリル!?」


「知っているのか!?ルワィデェ~ン!」


「その『るわいでん』って言うのは何ですか?シュウ様」


「ああ、所謂いわゆる『様式美』的なもんだから気にするな」


「はぁ・・・?」


「そんで、ラビ子はミスリルという金属の事を知ってるのか?」


「はい、とても高価な魔力を通し易い魔法金属で、

ミスリル単体だと柔らかいので、他の金属と混ぜて合金に加工して、

魔道具や武器などに使用すると聞き及んだ事が御座います。

昔、母の食堂へと食事に来られた凄腕とおっしゃる冒険者の方が、

ミスリル製の片手剣を入手したと自慢なさって居られましたが、

片手剣一本のお値段で、大きな家が一軒建つと仰られて居りました。」


「へ~、片手剣一本で豪邸が立つ値段なら、

この釘一本でも、一万ギルぐらいはするかもな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ