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異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
167/215

人の手

「シュウ兄ィ、最初はやっぱり間仕切まじきりから立ててくのかな?」

「お手伝いを致しますので、

私達にも、どんどんお申し付けくださいませ」

「シュウ兄ちゃん、何でもいってくれよな」

直ぐに作業を開始すると告げたシュウに、ケンが尋ねる


「おう!先に間仕切り壁を立てて、

部屋ごとに決まりを着けてった方が良いだろ、

一応、どんな感じに間仕切ってくかを書いといたんで見てくれるか?」

シュウは、背中に背負っていた魔導リュックを近くの地面へと下ろすと、

その中から、折り畳まれたA3程の大きさの紙にエンピツで書かれた

図面を取りだし地べたへと広げた。


「どれどれ・・・なる程、ピョロ君の個室と、

その隣の執事さん用の控室の他は、男女別の従業員用の大部屋、

全員が入れる大きさの集会室兼食堂と、その隣の厨房、

後は男女別のトイレと、大浴場だね、

シュウ兄ィ、この図面の通りだと大浴場には湯船まであるみたいだけれど、

流石に緊急避難用の施設なんだから、

シャワーだけでも十分なんじゃ無いのかな?」

「そうですね、普段でも入浴までなされるのは、

街長さまと、執事様ぐらいまでと思います。」

「オレや姉ちゃんも、兄ちゃんたちとあうまでは、

ぬれた手ぬぐいでカラダをフクぐらいだったよな」


「ああ、それな、俺も最初は貴重な水の使用量を考えると、

シャワーのみにした方が良いかな?とは考えてたんだけどさ、

建築業ギルドでギルマスをやってるメークソさんの話しだと、

こっちの世界には、俺達が暮らして居た世界とは違って、

魔石や、魔獣のスライムを使った

完全な汚水の浄化システムがあるそうなんだよ、

その辺をかんがみると、

いざという時は、生活用水として流用出来る事だし、

浴槽を設けて水を溜めて置くのもありかなと思ってさ」


「へ~、そんな便利な物があるんだ、

前々から僕は思ってたんだけれど、

こっちの世界って一見、中世位のヨーロッパっぽい生活水準に見えるけど、

その実、魔法とか魔導具なんかの事を考慮すると、

日本より進んでる事も多々あるよね?」


「ああ、そうだな、俺達の建築魔法にしたって、

細かい細工なんかは、自分の手を使わなきゃ納得の行く出来にはならないけど、

簡単な材料加工なんかは、頭の中でイメージして魔法を発動すれば一瞬だもんな、

どんだけ便利なんだよって話だよな」


「細かい細工は、魔法では出来ないんですか?」

「そういえば兄ちゃんたち、

木にモヨウをつけるのだけは、ジブンの手でやってるよね」


「ああ、そうなんだよ、俺達が暮らして居た世界にも、

大量に同じ品物を生産できる『機械』っていう、

魔導具みたいな物があったんだけどな、

見た目では分からない程に細かい精密さが必要な時には、

人の手で作った物の方が正確に仕上がってたんだぜ」


「そうなんですね、私も昔、

一流の職人の方が作られる品物には魂が宿ると、

お聞きした事が御座いますが、

あながち間違いでは無いのかも知れませんね」

「シュウ兄ちゃんが、オレたちにツクってくれたウデワのツナぎめも、

ゼンゼンわからねぇもんな」


「ああ、俺もケンも、大工仕事をしてる時には、

日々そう在りたいと考えて働いてるよ」

「そうだね、シュウ兄ィ」

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