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異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
164/215

鎮静色(ちんせいしょく)

「よっしゃ!これで、スロープ部分の組み立ては、

取り敢えず完了だな・・・」

床板、壁板と取り付けて行き、

最後に天井板を下から地上へと向かい張り上げたシュウは、

最後の天井板を、両壁板へと掘り込まれた溝に差し込んで、

隣りの天井板と対になる様にオス・メスに加工された物を、

当て板をあてて金槌で打ち込んでから告げた。


「はい、お疲れ様です。シュウ様」

「さすがプロだぜ!シュウ兄ちゃん

ちょ~カッコよくなったじゃん!」

シュウを手伝っていたラビ子とウサ太が、

そう労いの言葉を投げた。


「おう!お前らも手伝ってくれてサンキュな!」


「いえ、とんでも御座いません

弟と共に、シュウ様方にはお世話になっているのですから、

御手伝いをさせて頂くのは当たり前の事です。」

「兄ちゃん、カッコよくデキたんだけど、

ツウロのオクのほうがクラすぎるんじゃないのか?」

ウサ太が告げる様に、スロープの入り口付近は、

外から入り込む陽射しで明るいものの、

地下へと進むに従って光が弱まり、

一番下の方は、ケンがシェルタースペースを確保する為に、

建築魔法の『掘削くっさく』を使って作業する為に灯している、

魔導ランプの灯りが僅かに漏れてボ~ッと明るく見えている程度であった。


「ああ、それだったら、

勿論、ちゃんと考えてあるぜ、

ラビ子、そこの壁板に嵌め込んである魔石に魔力を流してみろよ」


「シュウ様、御存じの事と思われますが、

私やウサ太は、獣人族の血が入ったハーフですから、

魔力量が非常に少ないのですけど大丈夫でしょうか?」

シュウから魔力を流してみろと告げられたラビ子が、

少し心配そうな表情を浮かべながら、そう尋ねる


「ああ、勿論、大丈夫だぜ、

子供なんかが使う事も考えて、

明るくしたり、暗くしたりをする信号を送る為だけの魔石だから、

いくらも魔力を消費しないで働く様にしてあるんだよ」


「そうで御座いましたか・・・では、

魔力を流してみる事と致します。」

ラビ子は、ホッとした表情を浮かべながら、

壁板に嵌め込まれた魔石へと、少し魔力を流してみた。


「おっ、ちゃんと計算した通りに起動したみたいだな」

ラビ子が魔石に魔力を流すと、

魔石が嵌め込まれた壁板からス~ッと、

周囲の壁・天井の板が柔らかな光を放ち始め、

幾分も経たない内にスロープ全体が明るくなった。


「わ~、壁や天井全体が光っているから、

とても明るいですね」

「兄ちゃん、姉ちゃんがいうように、

たしかにスゲェあかるいんだけどさ、

なんでアオっぽくヒカってるんだ?」


「ああ、明かりの色の事か?

確かに色を白っぽくしたり、黄色っぽくしたりは出来るんだけどさ、

前に、青い色の光は、

心を落ち着かせる作用があるって聞いた事があるんだよ、

この施設の使用目的を考えると、

ここを通る人の心が落ち着ていた方が、

無用のトラブルなんかを引き起こさなくて済むかも知れないだろ?

だから、態と青っぽい光にしてあるって訳さ・・・」


「光の色には、その様な効果があるのですね」

「へ~、兄ちゃんは、スゲェものしりなんだな」

2人が、尊敬の眼差しでシュウを見つめながら告げる


「い、いや、そんな様な事を聞いた覚えがあるってだけだぜ?

学者先生って訳じゃ無いんだから、

本当に、そんな効果が有るか如何かってのを、実験とかした訳じゃ無ぇからよ」

2人から送られる眼差しに、少し照れた表情を浮かべながら、

シュウは、そう発言をした。

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