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異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
162/215

善悪無記(ぜんあくむき)

「そうか!何個かシュウに造ってもらっておいて、

魔力が切れた物をシュウに送って充填してもらえば良いのか!」

「なる程、シュウ殿の居られる場所さえ把握して置けば、

その手段が可能ですな・・・」


「ああ、俺達には、ある重要な目的があるんで、

これからも、あちこち移動する事にはなるんだけど、

なるべく早めに解決しようと思ってるから、

ナンチャッテ魔導具の魔力が切れるまでには、

腰を落ち着ける場所が決まってると思うんだ。

まあ、どちらにしても、

必ず一度はこの街に戻って来る予定だから、

詳しい話は、その時にでもすれば良いと思うぜ。」


「その目的っていうのは秘密なの?」

「シュウ殿、お話になれない事情等が御座いますなら、

無理に、お話になる事は御座いませんぞ」


「ああ、これに関しては俺とケンの最重要な極秘事項だから、

いくら相手がピョロ君と言えども話せないかな」


「ふ~ん、シュウがそこまで言うなら、

それについては聞かない事にするよ、

それじゃ、必ず一度はココに戻って来るっていうのには、

何か理由でもあるの?」


「おう!それなら話せるぜ、

ピョロ君は、この街にある『ニャンでも百貨店』て店を知ってるか?」


「勿論、知ってるよ、

あの店は、『そこに行けば何でもそろう』って、

街の人達から言われてて有名な所だからね、

あの、お店がどうしたの?」

「あの店は、この街でも有数の繁盛店ですな」


「ああ、俺は、あの店の店員をしている、

ミケルンさんっていう素晴らしい女性に惚れててな、

俺達の目的を達成できた暁には、

ミケルンさんに、正式なお付き合いをして貰える様に、

頼みに来ようと思ってるんだ。」


「僕も前に、あのお店を覘きに行った事があるんだけれど、

確か、店員のミケルンさんって人は獣人族だったよね?

シュウは、相手が獣人族でも大丈夫派なの?」


「おう!全く持って無問題モーマンタイだな!

確かに、獣人族が苦手って人も居るんだろうが、

俺にとってのミケルンさんは、まさに理想の女性なんだよ!」


「うわ~、それは良かったね、

そういえば、シュウは、獣人ハーフの僕を見た時も、

普通に対応をしていたもんね」


「ああ、多少の見た目が違ったって問題無いからな、

言葉さえ通じれば、人と人ってのは分かり合えるもんだと、

俺は考えてるんだよ、

まあ、根っからの悪人に関してだけは聞く耳持たんけどな」


「まあ、どんな種族でも善人と悪人は居るからね、

それに関しては仕方が無いんじゃ無いかな」

「そうですな、いくら心を開いて話し掛けても、

会話が成立しない輩という物は実在致しますからな」



「シュウ様、材料の方が運び終わりましたけど、

如何いかがいたしましょうか?」

「シュウ兄ちゃん、このウデワってスゲェぜ!

あれだけ運んでも、ぜんぜんツカれないんだよ!」

そのタイミングで、材料運びをしていたラビ子とウサ太が、

シュウに、そう声を掛けて来た。


「おう!2人ともご苦労さんだったな、

任せっきりでワリィワリィ!

そんじゃ早速、地下シェルターへの通路を造るから、

お前達は、見学がてら手伝ってくれるか?」


「はい、畏まりました。」

「オッケー!シュウ兄ちゃん」


「ピョロ君、バトリャ~さん、

ナンチャッテ魔導具に関しては、作業が終わったから、

詳細な注文とかを聞くって事で良いかな?」


「うん、それで良いよね?爺ぃ」

「はい、問題無いと思われます。坊っちゃん」


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