アキレスパッチンにご注意を!
「そんじゃ最後に手足首を解しながら、
首をユックリと廻して~」
ラジオ体操第一を終えた後、
シュウは皆にアキレスケン伸ばしや、
関節を解す指示を与える
「シュウ様の御指示通りに体を動かすと、
その部分の筋などが解れるのを感じますね」
「オレは、あんまりワカらないかな?」
「そうなのか?ウサ太
ボクでも、あちこちが解れて、
心地よさを感じてるんだけどな・・・」
「坊っちゃん、子供の内はまだ、
筋肉や関節が柔らかいのでコリを感じにくいのですよ、
坊ちゃんの場合は、街長としての執務を行われているので、
ウサ太君より効果を感じられていらっしゃるんだと思われます。」
「よ~し!準備運動の方は、こんなもんで良いだろ!
そんじゃ、作業の方に入るんで、
ピョロ君とバトリャ~さんは少し離れた場所から、
見学してくれる様にしてくれるか?・・・あっ、そうだ!
安全だとは思うけど、2人とも一応コレを頭に被っててくれるか?」
シュウは、運動の間、近くの立木の枝へと引っ掛けて置いた
魔導バッグから、木製のヘルメットを取り出すと、
ピョロピョ~ロとバトリャ~へと手渡した。
ちなみに木製で軽量なものの、
シュウが『物理耐性』を付与しているので、
日本のヘルメットよりも数段強固な物となっている
「皆、お揃いの帽子を被ってるなとは思ってたんだけど、
シュウたちのユニフォームって訳じゃ無いんだね」
「そうですな坊っちゃん、頭を保護する為の道具ですな」
「ああ、人間、頭さえ無事なら何とかなるもんだからな、
特に白魔法や魔法薬が有る、この世界なら、
死にさえしなければ治せる可能性が高いしな」
身体能力や状態異常耐性が高いシュウとケンであったが、
予期せぬ怪我を負った場合の対処方法が無かったので、
ラビ子とウサ太という旅仲間も加わった事も有り、
街の魔法薬を取り扱う店にて、
割とランクが高く高額な治療薬や回復薬を購入して、
各自の魔導リュックへと入れていた。
「へ~、そうなのか」
「確かに、頭に酷い傷などを負った場合は、
治療薬で傷が治っても、重い障害が残る場合があると、
聞き及んだ事が御座いますな・・・」
人生経験が豊富なバトリャ~は、
頭部の怪我が危険だと言う事を知っている様であった。
「よっしゃ!そんじゃ、ケン
早速だが、あの地面に印がしてある大きさで、
穴を掘り始めてくれるか?」
シュウは、ピョロピョ~ロとバトリャ~がヘルメットを被り、
少し離れたのを確認してから、ケンに指示を出した。
「オッケー、シュウ兄ィ
そんじゃ行くよ?・・・『土木』×5!
からの~『基礎』×5!」
ケンは自らが持つ『建築魔法』の一つ『土木』で穴を掘り、
『基礎』を使い、掘った穴の周囲を固めて補強した。
「お~!良い感じに掘れてってるな」
「流石です!ケン様」
「スゲぇな!ケン兄ちゃん、
アッというまに、どんどんとホレてってるぜ!」
「確かに凄いね、爺ィ
シュウ達が、自分達の魔法の事を秘密にしたいっていうのも、
良く分かるよね」
「はい、これ程のペースで穴を掘り、
尚且つ、補強まで施されるとは、
国で抱え込む様な、一流の土魔法使いでも、
可能か如何かが分からない程で御座いますからな・・・」




