新し~い朝が来た
「ねぇねぇシュウ、シュウ達がシェルターを造るところを、
しばらく見学してても良いかな?」
今朝から、非常時などに際した時の備えとした
地下シェルター建設工事に入ると告げてあった為、
様子を見に来た『ピョロ君』こと、
ここピョロリの街を治める街長であり、
前街長でイヌ獣人の父と、人族の母を持つ、
イヌ耳ハーフ少年『ピョロピョ~ロ・ピョロリ』が、
そうシュウに尋ねる
「ああ、俺達の工事は主に魔法を使って行うから、
別に危険な事とかは無いんで、
バトリャ~さんからの許可が出れば問題無いぞ」
ピョロ君の質問に対し、
シュウは、執事のバトリャ~よりの許可が下りれば良いとの、
返答を返した。
「良いよね?爺ぃ」
「はい、坊ちゃま、
本日は、午前中の御予定は御座いませんから、
シュウ殿方の、お邪魔となりません様で御座いましたら、
構いませんぞ」
「うん!ボク、ちゃんとシュウたちの邪魔にならないように、
見学出来るよ!」
「然様で御座いますか、
では、見学させて頂く事と致しましょう。
シュウ殿、私もシュウ殿方の特別な魔法には、
大変、興味が御座いますので、
坊っちゃんと御一緒に見学させて頂いても御宜しいですかな?」
「ああ、まあ大丈夫だとは思うけど、
万が一っていう事もあるからな、
バトリャ~さんが、ピョロ君に付いててくれれば、
俺達も安心して仕事に集中出来るな」
「御許可を頂き、ありがとう御座います。
坊ちゃんの御傍にて見させて頂きますので、
皆様方は、御安全な作業を、よろしくお願い申し上げます。」
「了解了解、良し!そんじゃ早速だが、
これから作業の方に入るが、
まずは、本日の作業スケジュールから確認するぞ、
シェルターの入り口になる場所なんだが、
あそこの地面に地墨が出してあるだろ?
あの場所から、ケンの魔法で、
地下へと降りてく穴を掘ってって貰って、
崩れない様に固めてから、
ケンはシェルター用の空間の穴掘り、
俺は、ラビ子とウサ太に手伝って貰って、
地下へと降りてく部分の造作だな、
そこが終わったら、順次、ケンの穴掘りを追っかけての作業だ。」
「畏まりました。シュウ様
御手伝いをさせて頂きます。」
「オレたちは、シュウ兄ちゃんを、
てつだえばイイんだな!」
「シュウ兄ィ、地下に降りてくのは階段で良いの?」
「いいや、子供やお年寄りなんかも非難する事を考えると、
階段じゃ無くて、スロープにしといた方が良いだろ、
傾斜が急だと危険だから、
何回か折り返しを設けて、傾斜を緩やかにする様にしてくれるか?」
「オッケー、分かったよシュウ兄ィ」
「よ~し!そんじゃ、今日のスケジュールの説明もしたし、
作業に入る前にラジオ体操をするぞ」
「シュウ兄ィ、僕は出来るけど、
ラビ子ちゃん達は、ラジオ体操なんて知らないでしょ?」
「おお、それもそうか、
ラビ子、ウサ太、作業に入る前に、
怪我をしない様に、体の筋肉や関節を解す運動をするから、
俺とケンの後ろに付いて、動作を真似て動く様にしてくれるか?」
「はい、畏まりました。シュウ様」
「うん!わかったぜ、シュウ兄ちゃん」
「シュウ、僕も、その『ラジオタイソウ』とかいうのに、
参加してみても良いかな?」
それまで、大人しくシュウらの様子を見ていたピョロ君が、
そうシュウへと尋ねる
「ああ、別に構わないぞ、
バトリャ~さん、特別きつかったり難しい運動じゃ無いんで、
良かったらバトリャ~さんも参加してみて下さい。」
「ホッホッホッ、では、近頃体を動かす機会も少なく、
少々運動不足気味ですから、
私も、坊ちゃんと御一緒に参加させて頂くとしますかな?」
「ええ、どうぞどうぞ、
それじゃ、ピョロ君とバトリャ~さんも、
ラビ子達と一緒に、俺とケンの後ろに並んでくれるかな、
両手を横に上げた時に、隣の人の手と当たらない様に、
適度な距離を開ける様にしてくれよな」
「うん、分かったよシュウ」
「畏まりました。シュウ殿」
「・・・よ~し、皆、ちゃんと並んだな?
そんじゃ始めるぞ?ラジオ体操第い~ち!
チャンチャチャチャッチャッチャッチャッ♪
チャンチャチャチャッチャッチャッチャッ♪
チャラ~ラ~ラ~ラ~ラ~ラ~ラ~ラララララ~♪
腕を大きく上に上げる背伸びの運動から~ハイ!」




