建設着工
「おはよ~っす!」
「「「おはようございます。」」」
翌朝となり、シュウ達一行は予定通りに、
滞在している『ピョロリの街』を治める街長の館を訪れていた。
予め、執事のバトリャ~と打ち合わせた通りに、
地下シェルターを建設する裏庭へと通ずる、
館の敷地裏手にある通用門の横へと、
トレウスを停車させてから、
裏門の前で警備に当たっていた者へと声を掛けた。
「お早う御座います。建築業ギルドのシュウ様方ですね?
御用の向きは、執事のバトリャ~より承って居りますので、
どうぞ、当館の敷地内へとお入り下さいませ。」
予め、バトリャ~より、シュウの人相風体を聞き及んでいたのか、
警備員は、シュウらのギルドカード等を確認する事も無く、
裏門の鍵を開けて、門を開いた。
「ありがとさん、
俺がシュウで、コッチが弟のケン、
後の2人は、手伝いのラビ子とウサ太ってんだ、よろしく頼むな。」
シュウが一応、建築業ギルドのカードを提示しながら、そう告げると、
皆を伴って裏門を潜った。
「お早う御座います。シュウ殿、皆様方、
お待ち申し上げて居りました。
本日は、宜しくお願い申し上げます。」
裏門を潜ったシュウ達が、シェルターの建設予定地へと向かうと、
そこには、執事のバトリャ~が待ち受けて居り、
シュウらに向かい、そう挨拶をして来た。
「おはよ~っす。バトリャ~さん、
コイツが昨日話した弟のケンで、
後ろの2人は、手伝いのラビ子とウサ太ってんだよ、
宜しく頼むわ」
「ケンです。
兄が色々とお世話になった様で、ありがとう御座いました。
本日は、よろしくお願いします。」
「「よろしくお願いします!」」
「御挨拶を頂きまして、ありがとう御座います。
私は、当館の執事を務めて居りますバトリャ~と申します。
今回の建設に関しましては、私が当方の担当となりますので、
建設に関してのご質問等は、私の方へと仰って下さいませ。」
「バトリャ~さんは、大きな商会の会長を務めていた経験があるから、
大規模な建設に関する知識も豊富だから助かるぞ、
何か聞きたい事とか、分からない事とかがあったら、
バトリャ~さんに聞けば良いからな、ケン」
シュウが、バトリャ~のセリフを補足する様に、そう付け加えた。
「うん、そうするよ、シュウ兄ィ」
「お~!予定通りに今日来たんだねシュウ」
バトリャ~との挨拶を済ませ、
共に建設範囲や、本日の作業工程等を話しあって居た一行に、
館の方から歩いて来た人物が、そう声を掛けて来た。
「よう!お早う、ピョロ君、
今日から、工事の方に取っ掛かるから、よろしくな!」
「この子供は・・・?」
「ピョロ君?」
「オレとおなじ子供なのに、
シュウ兄ちゃんのことを、よびすてにするなんてヘンだよね」
「うん!こちらこそ、よろしく!
そっちの人が、昨日話していたシュウの弟さん?」
「ああ、そうだ、こっちが弟のケンで、
後ろの2人は、俺達と一緒に旅していて、
今日の手伝いを頼んだラビ子とウサ太の姉弟だ。
それから皆、この子が、
この街の街長である、ピョロ君こと『ピョロピョ~ロ・ピョロリ』氏だぞ」
「こ、この子が街長様!?し、失礼しました!
シュウの弟で、ケンと申し上げます!
どうぞ、宜しくお願い申し上げます!」
「ラビ子と申します!」
「ウサ太だよ、よろしくね!」
「ハハハ、そんなに気を使わないでくれるかな?
ぼくの事は、シュウと同じでピョロって呼んでくれれば良いからね、
ぼくも君達の事は、ケン、ラビ子、ウサ太って呼ばせてもらうからさ」
「皆、ピョロ君も、こう言ってくれるから、
他の街の人とかが居る時なんかは兎も角、
この館の敷地内で建設に当たっている時には、
そう呼ばせて貰おうぜ」
「う、うん、
じゃあ、シュウ兄ィと同じピョロ君で・・・」
「はい、じゃあピョロ様で呼ばせて頂きます。」
「よろしくね!ピョロ君」




