そ~ちゃく!
「はい、分かりました。シュウ様、
それじゃ、ウサ太、
あなたのブレスレットから先に着けるから、
私に渡してから、両手を出してくれる」
シュウから、お互いの手首に、
『パワーアップ』と『体幹補正』機能が付いたブレスレットを、
着け合う様に指示をされたラビ子が、
弟のウサ太に、そう告げた。
「うん、はいコレ」
ウサ太は、姉のラビ子に2つのブレスレットを手渡すと、
そのまま、姉へと向かい両の手を差し出した。
「え~と、少し捻りながら引っ張って・・・うん、ちゃんと分かれたわね、
それで、右手と・・・左手に・・・装着っと!
うん、ちゃんと着いたみたいね」
「うん、姉ちゃん、サイズもピッタリだぜ!
そんじゃ、つぎはオレが姉ちゃんに、つけてやるぜ!」
「ええ、それじゃ頼むわね」
今度は、ラビ子の方が、ウサ太へとブレスレットを手渡し、
自らの両手を差し出した。
「えっと~・・・おっ、2つにわかれたぞ!
そんでもって、姉ちゃんのテクビに・・・ソウチャクっと!」
無事に、ラビ子の両手首にもブレスレットが装着出来た様だ。
「どうだ?2人とも、手首とかに違和感は無いか?」
2人の作業を見守っていたシュウが、
終わったのを見計らって、2人に尋ねる
「はい、流石はシュウ様が造られただけあって、
サイズはピッタリだし、
元々、身に付けて居た様に自然な着け心地です。」
「シュウ兄ちゃん、オレもピッタリだぜ!」
「そうかそうか、2人とも気に入ってくれた様で良かったよ、
それじゃ、肝心なところである、
その『ナンチャッテ魔導具』の性能試験をするとするかな、
2人とも、あの角材を持ち上げてみてくれるか?」
シュウは、作業場の隅に置かれている、
縦横60センチ、長さ5.5メートル程の角材を指差しながら告げた。
「結構、大きな角材ですね・・・
私とウサ太の2人だけで、持ち上げられるでしょうか?」
「シュウ兄ちゃん、あのカクザイ、
ふとさだけでも、姉ちゃんよりもあるぜ」
「いやいや、2人で一緒に持ち上げるんじゃ無くて、
其々、一人づつで持ち上げてみるんだよ、
その『ナンチャッテ魔導具』が俺の計算通りの出来なら、
一人でも簡単に持ち上げられる筈だぜ?」
「えっ!?あの大きさの角材を一人でですか!?」
「シュウ兄ちゃん、いくらなんでも、
それは、ムリなんじゃないの?」
「まあまあ、2人とも、『物は試し』っていうだろ?
取り敢えずは、順番にチャレンジしてみなよ」
「はあ、シュウ様が、そう仰られるなら試してみますか」
「オッケー!やってみようぜ!姉ちゃん」
「おう!まあ、大丈夫だとは思うんだが、
一応は注意して、一気に持ち上げようとはしないで、
ゆっくり持ち上げる感じで始めるんだぞ?」
「はい、分かりました。シュウ様、
それでは、私の方から試してみますね」
ラビ子は、そう告げると、
作業場の隅へと置かれている角材の方に移動する
「ウサ太、俺達も近くで見学するとしようぜ」
「うん!そうしようぜ!シュウ兄ちゃん」
シュウの言葉と共に、
シュウとウサ太の2人も、ラビ子が向かった角材の傍へと移動した。




