表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
147/215

マッコリ コリ助

「ただいま~」

商談を終えたシュウが、

この街で宿泊をしている『ホテル ニューコシガヤ』の、

自分達の部屋の、入り口ドアを開けながら告げる


「お帰りシュウ兄ィ、意外と早かったね」

「お疲れ様です。シュウ様」

「おかえり、シュウ兄ちゃん」

部屋のリビング・スペースで魔導映写機の映像を見ながら、

お茶を飲んで寛いでいたケン、ラビ子、ウサ太の3人が、

思い思いの言葉で、それを出迎えた。


「ああ、思いの外、商談が早く進んでな、

商談の相手だった街長さんの所と、

イイネさんや、ギル・マスが懇意だったってのもあるけど、

相手方に知り合いが居たってのも良かったな」


「え?街長さんの方に、

シュウ兄ィの知ってる人が、誰か居たの?」

この街に来てから、然程に時間が経っていない事をかんがみたケンが、

そう質問をする


「ああ、前に話した

このホテルの、屋上露天風呂で偶々行き会って、

少し話をしたっていう、商会の会長さんって名乗ってた人が、

実は、この街の街長さんの執事兼ご意見番的な人だったんだよ」


「へ~、それは中々の偶然だよね、

その人との会話で、シュウ兄ィは緊急避難用の地下シェルターを、

街に設置する事を思い付いたんだもんね、

一から地下シェルターの有用性を説明するよりかは、

遥かに早く話が進むのも頷けるよね」

「何気ない他者との出会いが、

如何に重要かを考えさせられるエピソードですね」

「シュウ兄ちゃんの運が良いってのもあるよな」


「おう!そんな訳で、スムーズに商談が纏まった訳なんだけど、

日本の地下街とかで、大型の地下施設を知ってる俺やケンと違って、

こっちの人達には、その有用性は理解出来ても、

どんな物が出来上がるのかってのが今一理解出来ないだろうから、

明後日、街長さんの館の地下に、

モデルルーム的な、小さなシェルターを造る事になったんで、

ケンも予定しといてくれるか?」


「オッケー、分かったよシュウ兄ィ」

「シュウ様、ケン様、私達にも何か御手伝いをさせて下さいね」

「オレも手伝うぜ!」


「ラビ子達の手伝いか・・・うん、何かしら考えとくわ、

ラビ子、俺にもお茶を淹れてくれるか」

実家が食堂を経営していた事もあり、

このメンバーの中で一番、お茶を淹れるのが上手なラビ子に、

ドッカリと、リビングのソファに腰を下ろしたシュウが注文をした。


「はい、シュウ様、いつもの様に緑茶で宜しいですか?」


「ああ、それで頼む」


「畏まりました。

ただ今、お淹れして参りますね」

ラビ子が、リビング・スペースの一角に設けられた

ティーサーバーのセットの方へと向かった。


「・・・そんで、さっきから気になってたんだけど、

この魔導映写機で今、放送されてる、

アニメ?っぽいヤツって、何て題名の番組なんだ?」

自分のお茶を淹れに向かってくれたラビ子を見送ったシュウは、

おもむろに、残りのケンとウサ太に向かって質問をする、

リビングに据え付けられた大型の魔導映写機の画面には、

ズングリムックリした体型のモンスターと、

幼い姉妹との交流を描いたと見られる、

アニメらしき番組が放映されていた。


「ああ、ソレ?

僕も見てビックリしたんだけど、

『向こう隣りのトントロ』ってアニメらしいよ」


「地球の某大国もビックリの、『やっちまった度』だな!」


「アニメ大国の日本で生まれ育った僕達は兎も角、

こっちの世界の人にとっては、

かなり斬新な設定の、超人気アニメ番組らしいよ」


「ああ、本物のモンスターがいるコッチじゃ、

子供がモンスターと仲良くするなんて、

とてもじゃ無いけど、考えられないだろうからな」


「うん、だから、番組の最初に、

『これは、飽く迄も架空の世界の話しだから、

良い子のみんなは、モンスターに絶対に近づかない様にね』って、

しつこい位に流していたね」


「まあ、そりゃそうだよな、

このアニメを見た子供が、モンスターと仲良くしようとして近付いて、

食われちゃったとかいったら、シャレにならんからな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ