3割、4割引きは当たり前
「それでは、バトリャ~様もお出でになられましたので、
今回の御提案の方へと入らせて頂いても宜しいでしょうか?」
商業ギルドのイイネが、そう尋ねる
「うん!良いよね?爺ぃ」
「はい、お話を初めて下さい。」
街長のピョロピョ~ロ少年の問い掛けに、
執事のバトリャ~が同意を示した。
「では、お話を始めさせて頂きます。
今回、私共が御伺いを致しましたのは・・・」
イイネは、今回、地下シェルター建設のプレゼンをする為に訪れた趣旨や、
それにより、ピョロリの街へと齎される安全や有用性などを、
事細かくピョロピョ~ロ少年とバトリャ~に説明した。
「ふ~ん、僕は、とても良い話だと思うんだけど、
どうかな?爺ぃ」
イイネの話を一通り聞いたピョロピョ~ロが、
隣の席に腰を下ろしているバトリャ~へと、そう尋ねた。
「はい、私も今回のお話は、
このピョロリの街に取って、とても良いお話だと思います。
後は建設に掛かる費用の問題となりますが、
それ程の規模の施設となりますと、
巨額の費用を計上する事となると思われますので、
一度に街の全箇所へと敷設するのは不可能でしょうな」
「へ~、そうなんだ・・・ねぇ、イイネ、
その、シェルターとか言うのって、
一箇所造るのに、どの位のお金が掛かるの?」
「はい、200人規模の物で1000万ギルとなっております。」
「なに!?1000万ギルですと!?」
イイネの返答を聞いたバトリャ~が驚きの声を上げる
「爺ぃ、その金額って、
爺ぃが、そんなに驚く程に凄く高いの?」
「坊っちゃん、逆です逆!
私の概算では、恐らく8000万ギルから、
少なくとも5000万ギルは下らないだろうと、
考えておりましたので・・・」
「じゃあ、凄く安く済みそうで良かったね」
「いえ坊っちゃん、一概に、
そう簡単に答えを出す訳には行かないですぞ、
通常に考えられる金額より破格に安いという事は、
それなりの理由があると思われます。
良くあるケースですと、
材料の品質に問題がある場合や、
建設の手間を大幅に省いた為に、
建物に後から問題が出て来るといったパターンですな」
「へ~、そうなんだ、
でも僕は、イイネやメークソ、
そして、そこに居るシュウが、
そんな事をするとは思わないんだけどな」
「はい、私も、そう思いますな、
今、坊ちゃんに、お話を致しましたのは、
一般的に考えられる場合の話しという事です。
しかし、今回の1000万ギルという予算では、
その殆どが材料費で消えてしまうと思われるのですが、
その辺の事は、どうなのでしょうか?イイネ殿」
「はい、この1000万ギルの御詳細ですが、
100万ギルが、私ども商業ギルドの手数料で、
700万ギルが、メークソ様の建築業ギルドの材料費と手数料、
残りの200万ギルがシュウ様と、弟のケン様の建築手間となっております。」
「むぅ・・・材料費も、かなり安過ぎる様に思われるが、
シュウ殿らの手間が、不当に安過ぎるのではありませんのかな?」
イイネの話を聞いたバトリャ~が、
困惑の表情を浮かべながら、そう質問をする
「それに関しては問題無いぜ、バトリャ~さん
その金額で出来るって、俺の方から話したんだよ」
バトリャ~の問い掛けを聞いたシュウが、そう発言をした。




