予定立て
「ただいま~、俺達の部屋の鍵をくれるか」
ピョロリの街中で、シュウが発見したカレー屋にて、
各々が心行くまでカレーを堪能したシュウら一行は、
宿泊先である『ホテル ニューコシガヤ』へと戻った。
幸いな事に、ホテルの受付カウンターには、
オーナーのブアイソーは居らず、
正規の受付係の男性が付いていたので、
シュウは安心して用件を告げた。
「お帰りなさいませ皆様、
こちらが、お客様方のお部屋のキーとなります。
それから先程、商業ギルドのイイネ様がお見えになりまして、
ご伝言をお預かり致して居りますので、
並んで、こちらの方もお受け取り下さいませ。」
「おう!サンキュ、また頼むぜ」
シュウは、部屋の鍵と、
イイネからの伝言書きを受け取ると、
受付係へとチップを手渡した。
「ありがとう御座います。シュウ様
またの御利用をお待ち申し上げて居ります。」
受付係は、シュウからのチップを受け取ると、
深々と礼をしながらシュウらを見送った。
「イイネさん、何だって?」
自分達の部屋へと戻り、
リビング・スペースにあるソファへと腰を下ろして、
ラビ子が淹れたコヒ茶や紅茶を飲み、一息入れたところで、
ケンが質問をする
「ああ、明日の午後に街長さんと会う約束が取り付けられたから、
昼過ぎ頃に、商業ギルドの方に顔を出してくれってさ・・・」
シュウが、伝言書きのメモを見ながら告げる
「へ~、割と早く会える事になって良かったね」
「ああ、何しろ相手は、この街で一番のお偉いさんだからな、
4~5日は待たされるかもった思ってたから良かったよ」
「それだけ、この街で商業ギルドが、
力を持ってるって事でもあるんだろうね」
「ああ、そりゃ、この街の商業を牛耳ってるんだから、
力を持ってんのは当たり前だろう?
それに、今回は建築業ギルドも絡んでる事だしな・・・」
「それも、そうだね、
明日の街長さんとの話し合いには、
僕も一緒に行こうか?」
「いや、商業ギルドからも、建築業ギルドからも、
一人づつで行く事になってるみたいだから、
明日も、俺だけでいいぜ、
ケンは、またラビ子達を連れて街の観光でも楽しんで来いよ」
「うん、分かったよ。シュウ兄ィ」
「シュウ様、ケン様、私達は今日で十分に楽しませて頂きましたから、
明日は、ホテルで大人しくして居りますが・・・」
「わ~い!明日も観光だ~!」
「コラッ!ウサ太、何言ってるのよ!」
「ハハハ、ウサ太は正直で良いな、
ラビ子、遠慮なんて全然しなくて良いんだぞ?
明日の、話し合いの結果にも由るんだけど、
この街には、暫くの間は滞在する事になると思うから、
俺が、あちこち見て周る時間なんて、
幾らでも取れると思うしな・・・」
「そうだよ、ラビ子ちゃん、
今日一日だけじゃ、多分、
街の、3分の1くらいしか見られなかったんだろうから、
明日も、シュウ兄ィに甘えて、見て周る事にしようよ」
「はあ、シュウ様とケン様が、そう仰って下さるなら・・・」
「わ~い!やった~!」
「おう!存分に楽しんでくるんだぞ」
「明日は、劇場とかにも行ってみようよ」




