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異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
134/215

ド~ン!

「う~む、何にするか迷うな~

だが、やはり、ここは日本に居た頃に好きだった

チキンカレーに似てると思われる『ホロホロ鳥カレー』を、

ライスで注文するとするかな・・・」

メニュー表を見ながら、シュウが呟く


「僕は、同じくライスで、

この『マッド・パイソンのカレー』にしようかな」

シュウの呟きを聞いたケンが告げる


「私たちは、カレーという料理を初めて食べるのですが、

初めての、お薦めメニュー的なものは何かあるのでしょうか?」

「オレは何でも良いから、

姉ちゃんと同じので良いな」

そんなシュウ達に、ラビ子とウサ太の姉弟が尋ねる


「そうだな~、やっぱ日本の定番と言えばポークだったから、

この『シモフーリ・ボアのカレー』ってのが良いんじゃ無いか?」

「そうだね、まずはポークからが基本だよね」


「では、私達は、それをライスで頂く事とします。」

「うん!そうしよう、そうしよう!」


「俺達は食べ慣れてるからライスで良いけど、

ラビ子たちは、ナンを貰った方が良いんじゃ無いか?」

「僕達に合せる必要は無いんだからね」


「いえ、一日も早く、

シュウ様や、ケン様が好まれるカレーの味へと到達する為にも、

ここは、御二方と同じライスで頂く事とします。」

「オレも、ライスは好きだから良いよ、兄ちゃんたち」


「まあ、ラビ子がカレーを作れる様になれば、

確かに、俺達も嬉しいんだが、

そこまで、真剣に取り組まなくても良いんだぞ?」


「別に、ナンよりライスが美味しく無いって、

訳でも無いんだから、

ここは、ラビ子ちゃんたちの好きにしたら、

良いんじゃないかな?シュウ兄ィ」


「まあ、それもそうか・・・よし!

そんじゃ、店員さんを呼んで注文するとするか」

シュウが、店員に声を掛けて呼び寄せると、

先程、銘々が選んだ注文を告げた。



暫くすると、ウエイトレスが抱えるトレイに乗せられた

湯気が上がるカレー皿が、其々の前へと運ばれて来る、

4人は、ウエイトレスが立ち去るのを見計らって、

シュウの音頭によって食べ始めた。

「よっしゃ!そんじゃ食べるぞ皆!

いただきます!」


「「「いただきます!」」」


「おおっ!俺好みの、某チェーン店みたいな、

堅めに炊いたライスと、粘りが少ないサラッと系のカレーじゃねぇか!

それに、このホロホロ鳥の肉ってのも、

ニワトリより野趣やしゅあふれてて、

俺的には、こっちの方がカレーに合ってるって気がするな!」

「僕の、マッド・パイソンの肉も、

スプーンで、簡単に身が解れる程に煮込まれてて絶品だよ!」

「美味しいです!

一口食べただけで分かる程、

数多に及ぶと見られるスパイスが練り込まれてて、

奥深い、複雑な味わいをかもし出して居ます!」

「うまっ!うまっ!うまっ!」


「う~む、素晴らしい仕事だ!

褒めて遣わすぞ!シェフだ!シェフを呼べ!」

余りの美味しさに、テンションが上がったシュウが叫ぶ


「シュウ兄ィ、確かに、凄く美味しいのは分かるけど、

ちょっと、テンションが上がり過ぎじゃ無い?

お店とか、他のお客さん達に迷惑だよ」

ケンが、そんなシュウを嗜める発言をする


「あっ、厨房の方から誰か出て来られましたよ、

変わった服装を、されていらっしゃいますけど、

シュウ様の、呼び掛けで出ていらした所から見ると、

シェフの方なのですかね?」


ラビ子の言葉に、シュウとケンが厨房の方へと目を向けると、

全体的に丸みを帯びた体格で、

日本の昔のビジネスマンの様な、黒いスーツっぽい服装に身を包んだ男が、

シュウ達の、テーブルの方へと歩いて来るのが目に入った。


「おっ、俺の呼び掛けに答えて、

シェフの人が来てくれたのかな?

こりゃ、宣言通りに礼を言わんきゃならんな」

「そうだね、美味しいカレーを食べさせてくれた

お礼を言わなきゃね」

シュウとケンが、マナーを守る日本人に相応しく、

テーブルの上に置かれたコップの水を、

口に含んで濯いでいると、

そこに、やってきた黒尽くめの男が、

シュウらに向けて、こう告げた。

『オ~ホッホッホッ、私の名前はウンチ・フムゾウ

人呼んで、臭うセールスマンと呼ばれております。ベ~ン!』


「「ブ~ッ!」」

シュウとケンは、口に含んだ水を噴き出した。

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