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異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
132/215

お約束食品

「ふんふんふ~ん♪」

一応の商談を終えたシュウは、

足取りも軽く、鼻歌を歌いながら、

この街での宿泊地としている『ホテル ニューコシガヤ』へと

向けて歩を進めていた。


「あちこちに顔を出してた所為で、

すっかり昼飯を食いっぱぐれちまったな、

まあ、朝ホテルで食ったバイキングを食い過ぎたから、

ちょっと小腹が空いた程度なんだけどな・・・おっ!

なんか、こっちの方から良い匂いがしてくるから、

ちょっと回り道してって見るかな」

シュウが、朝に商業ギルドへと向かった道を、

同じ様に戻っていると、

ホテルに向かうには、やや遠回りになると見られる路地の方から、

食欲をそそる香りが漂って来たので、

そちらを覘いてから帰る事とした。


「へ~、こっちの方は飲食店街になってたのか、

見た事が無い料理の店ばっかりだけど、

皆、美味しそうに食ってやがるな~」

シュウが、キョロキョロと店々を覘き込みながら歩いていると、

夕飯には早い時間帯ながらも、

早めに仕事を終えたと見られる、冒険者や商人らしき者達が、

食事や飲酒を、めい々に楽しんで居るのが見て取れた。


「何か、美味そうな店ばかりだし、

今日の晩飯は、皆を連れてココに食いに来るのも良いな・・・うん?

こ、この香りは・・・まさか!?」

いくつかの店を覘きながら歩いていたシュウは、

その内の、一件から漂ってくる香りに魅せられて、

ゆらゆらと、その店へと吸い寄せられる様に近付いて行った・・・




「うん?地震かな?」

ホテルにて、ラビ子とウサ太と共に留守番をしていたケンが、

僅かな揺れを感じて、そう呟く


「言われて見れば、ケン様がおっしゃられる通りに、

少し揺れているみたいですね・・・」

「ケン兄ちゃん、なんか揺れが大きくなって来てんじゃないかな?」

ケンの言葉に2人も同意の言葉を述べる


「おい!皆、出掛けるぞ!

外出用の服に着替えて、直ちに集合するんだ!」

揺れが大きくなったと、ケンらが感じた瞬間、

部屋のドアが、バン!と開いて、

そこから現れたシュウが、皆に向かい、

大きな声で、そう宣言をした。


「な、何だ!? ああ・・・シュウ兄ィか、

突然、飛び込んできて大声をだすからビックリしたよ、

それで、出掛けるのは良いけど、何処に行くの?」

「本当にビックリしました。」

「シュウ兄ちゃん、廊下を走って来たろ?

廊下は静かに歩かなきゃダメなんだぞ」


「何処行くって、メシだよ!メシ!・・・って、

そう言えば、お前ら今、腹具合は如何なんだ?」

自らが昼食を食べていなかった事と、

夕飯の時間には、やや早いのに気が付いたシュウが、

皆に、そう尋ねる


「皆、朝ごはんを食べ過ぎたんで、

昼は食べなかったから、小腹が空いたっていえば、空いてるね」

「はい、やっと消化を終えて空いて来ました。」

「オレは、昼飯も、食べ様と思えば、

食べられたけどね」


「よっしゃ!丁度良いぜ!

俺も、昼飯を抜いたんで小腹が空いて、

飲食店街を覘きながら帰って来たんだけどよ、

そん中に、ちょ~気になる店を発見したから、

今から皆で、食べに行こうぜ!」


「ふ~ん、そう言う事なら、

シュウ兄ィの言う通りに、皆で食べに行こうか」

「はい、畏まりました。

では、ホテルの方には、夕飯の準備は必要が無いと伝えて置きますね」

「わ~!外食か~!

どんな美味しいものが食べられるのか、

オレ、楽しみだな~」




「俺が、今日、見付けたと皆に言った

気になる店ってのは、この店だ!」

着替えを終えた皆を連れたシュウが、

飲食店街にある、一件の店の前で立ち止まると、

ババ~ン!という効果音が聞こえて来そうな調子で、

声も高らかに、そう告げた。


「シュ、シュウ兄ィ、

こ、この店って、もしかして・・・」

「何やら、食欲をそそる、

香辛料の匂いがする店ですね」

「うん、姉ちゃんが言う様に、

うまそうな匂いがして来るよな」

シュウが、皆を案内して来た店の壁には、

店の名前と見られる看板が掲げられて居り、

その看板には、黄色地に、茶色の文字にて、

『カレーショップ ここが一番か?』と記されていた。

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