お墨付き
「・・・という事で、建築業ギルドのマスターの、
メークソさんとの話が纏まったんで、
街長さんとの面会の手配を、お願い出来るか?」
建築業ギルドでの話し合いを終えたシュウは、
その足で、再び商業ギルドへと取って返して、
今回の、避難用地下シェルター建設計画の、
担当的なポジションを務める形になっているイイネへと、
結果報告をしていた。
「はい、畏まりました。
直ちに、手配の方を進めて御連絡をする様に致しますね、
また、当日は、ウチのギル・マスと、
建築業ギルドのメークソ様が同席致しますと、
纏まる話も、纏まらなくなってしまう恐れがありますので、
ギル・マスからの委任を取り付けまして、
私が伺う様に手配を致します。」
「ああ、そうした方が良いかも知れないな、
2人が仲違いをする原因となったエピソードに関しては、
俺も、メークソさんから聞かされはしたんだが、
そう簡単に解決しそうな内容でも無いからな、
今回の面会に関しては、そうして貰うのがベストだろうな」
「はい、街長様も、ギル・マス達の不仲の方は、
良く御承知になられて居られますので、
代理として私が伺っても、特別問題は無いと思います。」
「へ~、街長さんまで知ってるのか、
まあ、各ギルドのマスターと言えば、
その街の名士的な存在だろうから、
街長さんと、顔を合わせる機会なんかも多いだろうしな・・・」
「はい、前の街長様のピ~ヒャラ様の時に、
2人揃って、街の発展計画の会議に呼び出された事があったのですが、
些細な口喧嘩から始まり、仕舞には壮絶な殴り合いの大喧嘩に発展して、
会議が中止となる大騒ぎとなった事があったので、
それ以降は、ピョロリの街の常識として、
2人を同じ席に、同席させてはいけないという不文律になったんです。」
「街長さんの前で、そんな醜態を晒して、
良く2人とも更迭されなかったもんだな・・・」
「ええ、一時は、そんな声も多数上ったのですが、
お二人とも実務に関しては、他の追随を許さない存在というのが、
一般的な、街の人達の見解としてあった事と、
ピ~ヒャラ様の『其々が、街の発展に貢献すれば不問だ』とのお言葉により、
事無きを得たんですよ」
「へ~、先代の街長さんは、
そこまで、2人の事を買ってたんだな」
「ええ、現在の街長様を務めて居られるピョロピョ~ロ様へも、
今わの際に『この街と、お前の為に、2人を手放す事無き様に』との、
お言葉を残されたと聞き及んでいます。」
「そりゃ凄いな、2人の力添えがあれば、
街も、今の街長さんも、今後もやって行けるって考えてたって事だよな」
「はい、有り難い事です。」
「まあ、実際に、俺が見た感じでも、
この街には、大きな店や、珍しい商品なんかを扱ってる店も多いし、
暮らして居る、街の人達の表情も明るいからな、
経済が、上手く回って居るって事の証明にもなるだろ」




