ポンポコリン
「うむ、それでワシと、
ワシの嫁への思いを侮辱したドングリーノのヤツめに、
絶縁を言い渡して今日に至るという訳じゃな・・・」
建築業ギルドのマスターであるメークソが、
そう話を締めくくった。
「ドングリーノさんの心の中にも、
ディードリットットさんにソックリな、
お嫁さんを連れて来たギル・マスに対する妬み的な感情も、
多分に有ったんじゃ無いのか?」
メークソから、2人が絶縁状態となった経緯を聞いた
シュウが告げる
「まあ、その気持ちは有ったじゃろうな、
義姉君が、それといった特徴の無い、
目立たない生徒であったババババ~ンと付き合い始めたと
聞いた時の様な、ショックの表情を浮かべて居ったからな」
「それに気付いてても、未だにドングリーノさんの事を、
許しては、あげられ無いのか?」
「ふん!ワシから、ヤツめに歩み寄る必要などは無いじゃろ?
ヤツが、『悪かった許してくれ』と言って来たなら、
まあ、考えてはやるがな、
それに、ワシとヤツめは、元々中が良かった訳では無いからの、
こうして、お互いをライバル視して居った方が、
互いのギルドが切磋琢磨して、
ここ、『ピョロリの街』の経済も潤うというものよ・・・」
「へ~、まあ、そんなもん何んかな」
(なる程、ライバル視はしてても、
その手腕は認めているという訳か・・・)
「まあ、ワシらの話は、このぐらいにして置いて、
我が建築業ギルドとしては、お主の話しに乗っても良いぞ、
その、避難用の地下シェルターとかいう施設の建築を、
安価で済ませるには、お主ら兄弟の様な特殊な力が必要なのであろうが、
高価でも、個人で造りたいという金持ちは幾らでも居るじゃろうからな、
建築業ギルドに、その個人客に対する対応を許すというならば、
この件に関しての、当ギルドの全面的な協力を約束しよう。」
「それに関しては全然、問題は無いな、
俺と弟だけじゃ、とてもじゃ無いけど、
個人のお客さんに対してまでは、行き届か無いだろうからな」
「うむ、では、その内容での契約書を職員に作成させるが、
この街の代表で在らせられる『ピョロリ様』には、
何時、相談に伺うのだ?」
「この街の代表の人って、
その、ピョロリ様って人なのか?」
「うむ、先代の『ピ~ヒャラ・ピョロリ様』の後を継がれ、
今、この街の街長をされているのは、
その息子様で在らせられる『ピョロピョ~ロ・ピョロリ様』じゃな」
「下手糞なリコーダーか!」
「リコーダー?」
「い、いや、何でも無い、
そうだな~、商業ギルドとの兼ね合いもある事だし、
街長様の元を訪れる日程は、
あっちの窓口になってくれて居るイイネさんと相談してから、
後日、連絡するって事で良いか?」
「うむ、ワシの方は構わんぞ」
「じゃ、そういう事で」




