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異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
126/215

あの人は今・・・

「うん?ネタ?何の事じゃ?」

シュウの言葉に、建築業ギルドのマスターであるメークソが、

不思議そうな顔で問い掛ける


「い、いや、こっちの事なんで、

気にしないで話を続けてくれ」


「うむ、では続けるが、

彼女は、まさに地上に舞い降りた女神様の化身の様に美しかった。

彼女が一歩、教室へと足を踏み入れた瞬間、

男子生徒は元より、女子生徒さえも、

その美しさに魅了されて、呆けた顔を晒しておったな・・・」


「へ~、普通、綺麗な人って同性には嫌われそうだけどな」


「それは、人での基準の話しじゃろ?

彼女は、まさに従人ただびと範疇はんちゅうには収まらない程の、

美貌を有しておったんじゃ」


「そりゃ凄いですね」


「うむ、当然の様に、

ワシも、ドングリーノのヤツも魅了されての、

彼女に相応しい男となれる様に、今まで以上に、

競い合いに拍車が掛かったという訳じゃ」


「ドングリーノさんが、あれだけ、

ギル・マスに敵愾心を持っているという事からすると、

ディードリットットさんのハートは、ギル・マスが射止めたって事ですか?」


「いいや、それなら良かったんだが、

彼女の心を奪ったのは、それといった目立ったところが無い、

人族の剣士『ババババ~ン』が、かっさらって行き居ったのじゃ」


「それじゃ、何でドングリーノさんは、

あんなに、ギル・マスの事を憎んでいるんですか?」


「それがの、ディードリットット嬢は、

穏やかな平和を愛するエルフに相応しく、

穏やかな性格の男が好みらしくてのう、

日々、競い合うワシらの様な男には興味が無いと言われたんじゃ、

それを聞いたアヤツめが、

何かと勝負を挑んで来たワシの所為だと、難癖を付けてきてのう、

売り言葉に、買い言葉で、大ゲンカとなり、

それ以降、絶縁状態なんじゃ・・・」


「ドングリーノさんも、どっちもどっちだとは理解していても、

怒りのやりどころに困って、そう言っちゃったんでしょうね」


「うむ、ワシかアヤツめが選ばれていれば、

まだ諦めも付いていたんじゃろうが、

彼女が選んだ男は、ホントに目立ったところが無かっただけに、

アヤツも治まりが付かなかったんじゃろうな」


「その、バババ~ンさんでしたっけ?」


「いや、ババババ~ンじゃ」


「ああ、そうですか、

ババババ~ンさんって「いや、ドバババ~ンじゃ」

えっ?ギル・マス、ババババ~ンって言ってませんでしたっけ?」


「うむ、それで合っとる、

ちょっとしたドワーフ・ジョークじゃよ」


「ぶっ飛ばすぞ!ジジィ!」

メークソの言葉を聞いたシュウは、

アッパーカットの様な形に、拳を突き上げながら、

大きな声で叫んだ。


「お~!ナイスなツッコミじゃぞ、シュウよ、

ツッコミは、『迅速に、大きな声とリアクション』が基本じゃからな、

お主、中々オワライという物を理解しとる様じゃな」


「えっ?ギル・マス、ツッコミとか、お笑いとか、

何で知ってるんですか?」


「うむ、オワライに関しては、

今から150年程前に、異世界により勇者として召喚された

自称、オワライゲイニンとかいう謎な職業の、

『トロ・クボータ』という、非常に口が悪い人物から伝わっておるからな、

今では、かなりの人数の弟子たちが、

クボータ氏が起こしたと言われて居る

『サーモン流・オワライ道場』で、腕を磨いておるよ」


「へ~、日本で、いつの間にか見なくなってる、

お笑いの人達って、

こんな風に、異世界に呼ばれて来ちゃってたりも、するのかな・・・?」

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