建築業ギルドのマスター
「えっ?あの家具は、お二人が作られた物に、
付与魔術で、白魔法を付与しているのでは無いのですか?
多分、その様に作ったのであろうとの事で、
真似をしようとした家具職人の方が居られましたが、
同じ様な、効果が得られる品物は作れなかったと、
確かに、聞き及んでは居りましたが・・・」
シュウの話を聞いた
建築業ギルドの受付嬢アイソが、そう尋ねる
「ああ、あの家具類は、
家具造りから、付与する魔法効果まで、
俺と弟の建築魔法を使って製作してるんで、
他の人じゃ、真似なんて出来ないと思うぞ」
「建築魔法・・・ですか?」
「ああ、建物の基礎や、木材の加工を始めとして、
この魔法さえあれば、アッと言う間に、
家が一軒建てられるっていう優れものさ・・・
一応、聞いた話じゃ俺達特有の魔法みたいなんで、
外部には洩らさない様に頼むな」
「ええ、それは勿論ですよ、
建築業ギルドに所属して下さって居られる、
職人様方の情報を外部に洩らすなど、以ての外です。」
「まあ、俺も弟も、そこそこには戦えるから、
外部に漏れて、ちょっかいが掛けられて来た所で対処は出来るだろうが、
その類の連中を、いちいち相手にするのも面倒だからな」
「その通りですね」
「それで、ここのギル・マスさんには、
取り次いで貰えるのかな?」
「はい、ご紹介状も、確かに姉が作成した物で間違い無いので、
ただ今、マスターに伺いを立てて参ります。」
「おう、頼むわ」
シュウは、そう告げると、
ギルドのロビーに置かれた長椅子へと腰を下ろした。
暫くすると、戻って来たアイソから、
ギル・マスの、予定が空いている確認が取れたとの事で、
今から、会えると聞き及んだシュウは、
アイソの案内で、ギル・マスの執務室へと向かった。
「マスター、シュウ様を御案内致しました。」
建築業ギルドのマスター執務室に相応しい、
重厚な細工が施されたドアをノックしたアイソが、
部屋の中に向かって告げる
「おう!入って貰ってくれや!」
すると、中から大きなダミ声で、そう返事が返って来た。
「畏まりました。
シュウ様、どうぞ中へと、お入り下さいませ。」
アイソは、執務室のドアを開けると、
シュウに、中に入る様にと促した。
「ああ、邪魔するぜ」
シュウが、ドアを潜り執務室へと踏み入ると、
先程、訪ねた商業ギルドのマスター室程には豪華では無いものの、
実用性を兼ね備えたと思われる、
機能美に溢れる執務机と、その前に置かれた応接セットが目に入る、
執務机に腰を下ろしたギル・マスと見られる人物は、
ずんぐりむっくりとした筋肉質の体型から、ドワーフ族と見られた。
「ほう・・・お主が、噂の魔法家具を造られたシュウ殿か、
ワシは、当建築業ギルドのマスターを務めて居る
『メークソ・ハナクソン』という者じゃ、
見ての通りのドワーフ族なんじゃが、
生憎と、鍛冶仕事などの才能には恵まれなくてな、
幸いにも、金勘定の才には恵まれて居ったので、
こうして、マスターを務めさせて貰って居る、宜しくな!」
「ああ、俺は大工職としてギルドに登録しているシュウだ、
殿って柄じゃないから、普通にシュウと呼んでくれれば良いぞ、
こちらこそ、宜しく頼む」




