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異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
123/215

秘伝

「こんちは~」

ピョロリの街の商業ギルドに、新たな商売の種として、

災害時の避難用地下シェルターの建設を提案したシュウは、

建設に伴い、その協力が不可欠と思われる建築業ギルドへと、

商業ギルドから貰った紹介状をたずさえて訪れていた。


「いらっしゃいませ!

当、建築業ギルドのピョロリ営業所へ、ようこそ!」

建築業ギルドの、入り口のドアを開けて入って来たシュウに対し、

受付カウンターの受付嬢が、元気に挨拶の声を掛けて来る


「ああ、こちらこそ、よろし・・・イイネさん!?」

挨拶の声に、返事を返しながら視線を送ったシュウの目には、

先程、商業ギルドで別れたばかりのイイネが、

ニコニコと笑みを浮かべながら、

受付カウンターへとたたずんでいる姿が見えた。


「あら?姉を御存じ何ですか?」


「えっ?姉?

そんじゃ、貴女はイイネさんじゃ無いんですか?」


「はい、私はイイネの双子の妹で、

『アイソ・ソトヅーラ』と申します。」


「へ~、ギルドの制服以外は、

見分けが付かない程にソックリですね・・・」


「はい、姉と私は一卵性双生児なので、

子供の頃から、見分けが付かないと良く言われて居りました。」


「なる程、一卵性ですか・・・道理でソックリな訳ですね」


「ええ・・・ところで本日は、どの様な御用命で当ギルドへと、

参られたのでしょうか?」


「ああ、そうだった、そうだった。

俺は、建築業ギルドに、大工職で登録しているシュウという者なんだが、

商業ギルドと、建築業ギルドとに絡みそうな、

新しい仕事のネタを持って来たんで、ギル・マスに取り次いでくれないか?

この通り、商業ギルドからの紹介状は貰って来てるんだ」

シュウは、自らのギルドカードと、

商業ギルドから貰って来た紹介状をアイソへと差し出しながら、そう告げた。


「そうなのですか、少々拝見いたしますね・・・えっ!?

この紹介状に、最近、当ギルドでも話題になっている、

能力を付与した家具類の製作者が、

シュウ様だったと書かれて居りますが、ホントですか!?」

ギルドカードと紹介状へと、ざっと目を通していたアイソが、

驚きの表情を浮かべながら、シュウに尋ねる


「あ、ああ、確かにアレらを造ったのは、

俺と、弟のケンだが、それが何か?」


「実は、あの家具類が大変話題となっていて、

当ギルドへも『同じ品物を造れないか?』という引き合いが、

多数、寄せられているんですよ・・・」


「え?建築業ギルドへか?」


「ええ、建物への造りつけの家具の製作などもあるので、

シュウ様方の様に、家具造りが得意な大工の方々って、

結構、いらっしゃるんです。」


「ああ・・・確かに、ベットとか本棚とかを、

建物に造り付ける事なんかがあるからな」


「はい、そう何です。」


「それで、あの家具類が如何どうかしたのか?」


「はい、余りにも引き合いが多いものですから、

宜しければ、その作成方法などを、

当ギルドで、買い取らせて頂こうかと思いまして・・・」


「う~ん、多分だけど、

そりゃ無理だと思うぞ」


「やはり、職人としての秘伝の様なものだから、

お譲り戴いたりするのは、無理なのでしょうか?」


「いや、あれは、俺達兄弟の特殊な魔法で造ってるもんだから、

他の人には、真似できるたぐいのもんじゃ無いと思うぞ」

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