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異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
122/215

ライバル

「お客様を、お待たせしてしまい申し訳無かったね、

私が、『ピョロリの街』の商業ギルド・マスターを務めさせて頂いている、

『ドングリーノ・セクラベー』だ、よろしく頼むよ」

書類の処理を終えたらしきギル・マスが、

シュウの、テーブルを挿んだ正面のソファに腰を下ろしてから、

おもむろに、そう告げた。


「ええ、俺の方が突然押し掛けたんだから、

それは、お気になさらずに・・・

俺は弟と一緒に、大工業や家具製作なんかをしている、

シュウという者だ、よろしくな」


「ギル・マス、お茶を淹れますが、

何にしますか?」

給仕を務めるイイネが問い掛ける


「ああ、私はコヒ茶を頼むよ、イイネ君」


「畏まりました。」

イイネは、ギル・マスにコヒ茶を、

そして、自分の分の紅茶を用意すると、

ギル・マスの隣へと腰を下ろした。


「では、早速だが、話を聞かせて頂けるかね?」

イイネが席に着くのを見計らい、

ギル・マスが、そう発言をした。


「はい、私の方から御説明をさせて頂きますが、

今回、シュウ様から、お話を頂いたのは・・・」

ギル・マスの言を受けたイイネが、

シュウの持ち込んだ、避難用の地下シェルターの説明を始める



「う~む、なる程、

ドラゴンの様な、大型の魔獣というのは、

人間の魔力に魅かれて街を襲うというのが定説だからな、

人が多く集まる大都市ほど襲われ易いと考えるなら、

シュウ殿が今回、御提案をされた

地下シェルターなるものは有効なのであろうな、

今までの様に、多くの犠牲者を出して、

街が滅びたなどという悲劇を回避できると思える」


「ああ、俺も、そう思うぜ」


「しかし、これ程の一大事業となれば、

確かに、大きな利益が見込めるが、

まずは、街長様を始めとした、お役所関係や、

各種団体への根回しなども必要になるな・・・」


「ええ、ギル・マス、

それで、シュウ様から、街長様への御紹介や、

建築業ギルドへの、協力依頼の口利きなどを頼まれているのですが・・・」


「何!?建築業ギルドだと!?

あんな所と協力する必要など無いぞ!

我が商業ギルドで、みな何とか出来るとも!」


「ギル・マスは、どうしたんですか?イイネさん」


「はあ、実は、ウチのギル・マスと、

建築業ギルドのギル・マスは、学生時代からのライバルらしくって、

日頃から、とても仲が悪いんですよ・・・」


「へ~、お互いに一大組織のリーダーまで上り詰めてるんだから、

2人とも優秀なんだろうけど、馬が合わないってヤツなんですかね?

でも、今回に限っては、お互いの組織の利益に関わる事なんだから、

我慢をして貰うしか無いですよね」


「はい、ウチのギル・マスの方は何とか説得してみますから、

御紹介状の方を御用意致しますので、

シュウ様は、建築業ギルドへと、今回のお話を持って行って頂けませんか?」


「ああ、それは別に構わないんだが、

街長さんの方は、如何するんだ?」


「街長様は、大変お忙しい方ですので、

お会いするのにも、事前に予約をせねばなりませんから、

ウチと、建築業ギルドとの話が、

ある程度進んでからにした方が良いと思われます。」


「なる程、分かった。

そんじゃ、取り敢えず俺は、

建築業ギルドに、協力をして貰う事を取り付けに行ってくるわ」

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