表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
115/215

湯~ライオン

カコ~ン! うっすらとした湯気が立ち込める大浴場に、

湯浴み客が上げたと見られる、木桶の音が響き渡る、

ケンとウサ太は、広々とした大浴場を見て感嘆の声を上げた。


「すっげ~!見てよケン兄ちゃん、

中だけじゃ無くて、外にも大きな風呂があるよ!」

「ああ、あれは露天風呂っていうんだよ、

ここは、ホテルの屋上にあるから、眺めも良いんだろうね」


「ウサ太!大きな声を出して騒いで、

ケン様に、ご迷惑を掛けるんじゃ無いわよ!」

女湯の方に入っているラビ子から、

ウサ太に対する注意の声が上がった。

男湯と女湯とを隔てる壁は、天井までは伸びて無く、

上の方が空いているので、ウサ太の声が届いたのであろう


「そう言う、姉ちゃんだって大声出してるじゃん!」


「何ですって!?」


「まあまあ、2人とも、

折角、普段では入れない様な豪華なお風呂に来ているんだから、

ここは、ゆっくりと楽しむ様にしようよ」


「は、はい、お騒がせをして、

申し訳御座いません、ケン様」

「うん、分かったよ、ケン兄ちゃん」


一行は、落ち着いて風呂を楽しむ事にした。


「ウサ太君、あの、口からお湯を吐き出している大きな石像の魔獣は、

何かモデルになった魔獣が居るのかな?」

洗い場で体を洗い、最初は内湯へと、

ウサ太と共に入ったケンが、ウサ太に尋ねる、

ケンの視線の先には、全長2メートルはあると思われる、

地球のライオンに似ている感じの魔獣らしき石像が、

犬のお座りの姿勢で、大きく開いた口からザバザバとお湯を吐き出していた。


「ああ、あれだったらキマイラだよ、ケン兄ちゃん

ホラ、尻尾がヘビになってるだろ?

あれが、キマイラの特徴なんだってさ」


「へ~、あの像のモデルはキマイラって言うのか、

良く知ってるねウサ太君、

ウサ太君は、実際に、あのキマイラを見た事があるのかな?」


「そんなの、あるわけ無いじゃん、

実際に会ったら、オレなんてパクッって一口で食べられちゃうよ、

姉ちゃんに聞いたんだけど、

ホンモノのキマイラは家ぐらい大きいんだってさ、

オレたちが住んでた街の入り口にあった

魔よけの像のキマイラも、あの口からお湯出してる像と、

同じぐらいの大きさだったけどね」


「なる程、それでウサ太君はキマイラの事を知ってた訳か、

しかし、実物は家ほどの大きさだって?

確かに、そんなのとは実際に遭いたくは無いもんだね・・・」


ケンとウサ太が、そんなフラグが立つ様な会話を大浴場でしていた頃、

シュウは一人、ホテルの客室のリビング・スペースで、

魔導映写機を見続けていた。

「おお!岩田先輩(仮)の所属するチームが勝ったみたいだな、

流石だぜ!岩田先輩(仮)最後まで一点も取られなかったもんな、

それと、岩田先輩(仮)とバッテリー組んでた、

ヴァーンとかいう人のバッティングも見事だったな、

バッターボックスに入る時に、

一人だけ仮面を付けてるのは謎だったけど・・・

さて、ベスボル中継も終わったみたいだし、

次は、何を見るかな?」

シュウは、テーブルの上に置いてあったリモコンを操作して、

魔導映写機のチャンネルを変えて見る


「うん?これは、ニュースみたいな番組みたいだな、

へ~、マッスル王国って国の王様が、

浮気がバレて、嫁さん達にボコボコにされたのか・・・

こんな話題がニュースになるぐらいだから、

この世界は、割と平和な世の中みたいだな、

おっ!次は天気予報か?やっぱ魔法とか、魔導具を使って予測するのかな?」


魔導映写機の画面を見つめるシュウの瞳には、

天気予報らしき番組が始まるのが映し出された。

『ハ~イ!イイ男のミンナ、元気にしていたかな?

ゲイの為なら、男を泣かす~♪でご存じ、

シンディちゃんの天気予報のお時間よ~ん♡』


「こ、これはまた、強烈なキャラの気象予報士だな・・・」

画面を見つめるシュウの瞳には、

身長2メートル以上はあると思えるゴリマッチョが、

タンクトップにホットパンツという出で立ちで、

各地の天気を予報している姿が映し出されていた。

その顔には、『これでもか』というぐらいに化粧品が塗りたくられており、

金髪のアフロ ヘアは巨大で、バランスボールの様であった。


『明日のルクシア共和国各地は、

全般的に晴れた穏やかな所が多いけど、

海沿いの地域は、夕方から天気の急変に要注意よ~ん♡

海からの湿った空気が入り込むと、

ゴリラ・ゲイ・ウッーーーに襲われるかも知れないわよ~ん♡』


「それを言うなら『ゲリラ豪雨』だろ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ