ゼェ~ット!
「よ~し、ほんじゃ部屋の見学も一通り終わった事だし、
各自、自分の荷物を寝室に置いたら、
今後の予定を、ラビ子やウサ太にも、
詳しく説明するから、ここに集合してくれるか」
ピョロリの街の商業ギルドが、
ギルドに取って有益な人物に、主に接待目的などで手配をするホテル
『ニューコシガヤ』の豪華特別室を、
皆でワイワイ言いながら見て周った後、
シュウが、そう告げた。
「オッケー、シュウ兄ィ」
「はい、畏まりました。シュウ様」
「うん、分かったよ、シュウ兄ちゃん」
そう返事を返すと、
各自、自分らの荷物を寝室に置きに向かう、
大きなベットが2つずつ置かれた寝室が6部屋もあるものの、
結局、シュウとケンが各自一部屋ずつを使い、
ラビ子とウサ太は、2人で一部屋を使う事にした。
「よし、皆、ちゃんと戻って来たな、
その魔導冷蔵庫の中に入ってる飲み物も、
宿泊費に含まれてるって言ってたから、
自分の好きな飲み物を選んでから、ソファに座ってくれるか」
皆より、いち早く居間スペースに戻り、
ソファに座って果実水を飲んでいたシュウが、
そう告げる
「へ~、飲み物も込みで、あの料金何て、
商業ギルドは、随分と僕らの事を買ってるみたいだね」
「シュウ様やケン様が成された事を考えれば、
この優遇も当然かと思います。」
「兄ちゃん達って、すごいんだな~」
シュウが告げた通りに、
各自、部屋のバースペースに置かれた
大型魔導冷蔵庫から好きな飲み物を選ぶと、
ケンは、シュウの並びに、
そして、ラビ子とウサ太は、
2人と向い合せる形となるソファへと腰を下ろした。
「よし、皆、席に着いたな、
そんじゃ、今後の予定を簡単に説明するから、
2人とも、喉を湿らせながらでも聞いてくれや」
「はい、ありがとう御座います。」
「うん、いっただきま~す!」
2人は、シュウに言われた通り、
自らの飲み物へと手を伸ばした。
「よしよし、そんじゃ話を始めるが、
今後の予定と言っても、今んとこ、
それ程、詳しく決まっている訳でも無くてな、
取り敢えず決まってるのは、
ケンを日本に返す方法を探す為に、
この国の首都に行って、図書館とかを調べてみようかと思ってな」
「なる程、確かに首都のポルポートには、
この国で最大の国立図書館がありますからね、
商業国家のルクシア共和国だけあって、
その国立図書館には、
世界中から集めた本が多数所蔵されていると聞いた事があるので、
何かしらの情報が得られるかも知れませんね」
「うわ~、ポルポートに行けるんだ!
やった~!」
「へ~、そうなのか、
そりゃ結構、期待が出来そうな情報だな、
サンキュな、ラビ子
その他にも、何か知りたい事を調べるのに良さそうな、
場所とか人の話を聞いた事が無いか?」
「そうですね・・・あっ!占い師の方を、
お尋ねになってみては如何でしょうか?シュウ様」
「占い師?それって良く当たるのか?」
「はい、ウチの食堂に食事に来て頂いた、
首都からの行商の方からお聞きした事があるのですが、
凄腕で有名な占い師の方が、
ポルポートにいらっしゃると仰って居られました。」
「へ~、そりゃ是が非にでも一度、
俺達の事を、占ってみて貰いたいもんだな・・・
ラビ子、その占い師の名前って分かるのか?」
「はい、確か・・・『ポルポートの母Z』様と仰ってました。」
「え~、せめて『ゼット』が付いて無きゃな・・・」
「何か、会う前から嫌な予感しか感じないよね、シュウ兄ィ」




