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異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
109/215

特割

「それで青年は、このワシに、

チェックインの手続きをして貰いたい様であるが、

それは無理であるな」

シュウに向って、

自らを、このホテルのオーナーと名乗ったブアイソーが、

そう告げる


「何でだよ?

アンタがホントに、ここのオーナーさんなら、

別に受付手続きをしちゃっても、構わないんじゃ無いのか?

オーナーのアンタに文句を言えるヤツなんて、そうそうは居ないだろ?

それと、俺の名前はシュウだから、

俺の事は、青年じゃ無く、シュウって呼んでくれや」


「相分かった。

君の事は、シュウ君と呼ばせて頂く事としよう。

それと、先程の質問に対する答えであるが、

ワシは、このホテルが創設以来、

面倒臭くて、一切の業務に携わった事が無いから、

何も出来ないのである!

また、それに伴い、居るだけで邪魔になるからと、

ワシが、ホテル内をうろついていると、

従業員からは文句が出捲でまくりなのである!」


「偉そうに言うな!」


「ふむ、こう見えてワシは、

この業界では『金はガッポリ、ヤル気はサッパリ』として、

有名であるからな、エッヘン!」


「そこ、威張る所と違うから!

参ったな・・・早いとこチェックインしちまって、

部屋で一休みしたいとこ何だがな・・・」


「ふむ、それではカウンターの上にある、

ベルを鳴らされては如何いかがかな?

然為さすれば受付係が現われる筈であるが・・・」


「それを、早く言えっちゅ~の!」

シュウは、受付カウンターの上に置かれたベルを鳴らし、

奥から出て来た本物の受付係より、

オーナーであるブアイソーの不手際を詫びられながら、

無事にチェックインを果たした。



「お帰り、シュウ兄ィ

如何どうしたの?

何か、チェックインの手続きするのに、

やたらと時間が掛かってたみたいだけど・・・」

疲れた表情で、受付カウンターから戻って来たシュウに、

ラビ子やウサ太と共に、待合コーナーのソファに腰を下ろして待っていた、

弟のケンが尋ねる


「いや、ちょっと会話をすると、

無駄に疲れるオッサンが居てな・・・

チェックインの方は無事に済んだから、

早いとこ部屋に行って、ゆっくりする事にしようぜ」


「ふ~ん、何か良く分かんないけど、

部屋に行って、ゆっくりするのには賛成かな」

「畏まりました。シュウ様」

「うん!行こう行こう!」

シュウ達は、ホテルの案内係に荷物を運んで貰いながら、

商業ギルドが手配をした

最上階にある特別室へと向かった。



「お~っ!特別室っていうだけあって、

凄っげ~豪華な部屋だな!」

「そうだね、シュウ兄ィ

こんな部屋、日本で泊まったら、

一晩で幾ら取られるか分かったもんじゃ無いよね」

「本当に凄いです・・・世の中には、

こんな、豪華な部屋に御宿泊をされる方々が、

いらっしゃるんですね・・・」

「すごいね、姉ちゃん

この居間だけでも、ウチのお店より広そうだね」

ホテルの案内係によって通された特別室は、

2か所ある広い浴室や、

3か所に設けられた、これまた広いトイレ、

ベランダには大きなジャグジーまで兼ね備え、

バーカウンターがある30畳程の居間を中心に、

大きなベットが2つずつ置かれた寝室が6部屋もある、

超絶豪華な部屋であった。


「こんな部屋に泊まって、

支払いの方は大丈夫なの?シュウ兄ィ」

ケンが、不安そうな表情を浮かべながら、

シュウに尋ねる


「ああ、受付で聞いた話じゃ、

商業ギルドから『特別割引で頼む』との連絡が入ってるから、

一人頭で、一泊5000ギルで良いそうだぞ」


「この部屋が、一泊5000ギルで!?」

「流石はシュウ様、ケン様です。」

「兄ちゃんたちって、タダモンじゃないって感じだよね」

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