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異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
108/215

無愛想

「お~!凄っげ~吹き抜けだな~」

「ホントだね、シュウ兄ィ

吹き抜けのある建物なんて、

こっちの世界に来てから初めて見たね」

「天井が、あんなに高い所にあります!」

「うわ~、あんな高いところの天井って、

どうやって建てたんだろうね?」

シュウら一行が、商業ギルドよりの優待を受けた

『ホテル・ニューコシガヤ』へと到着し、

入り口の豪華な両開きのドアを開けて、建物の中へと踏み込むと、

受付ロビーが、最上階までの高い吹き抜けになって居り、

その吹き抜けを、囲い込む様にグルリと客室が配置されているのが見て取れた。


「そんじゃ、俺がチェックインしてくるから、

ケン達は、これにでも座って待っててくれるか?」

シュウが、ケン達に、ロビーに置かれた待合用と見られる、

ソファセットを指差しながら告げる


「オッケー、シュウ兄ィ」

「シュウ様、その様な事は私が言って参ります!」

「うん、待ってるね兄ちゃん」


「ラビ子、あの受付に居るオッサンを見てみろよ、

客商売とは思えない程に、気難しい顔をしてるだろ?

あの手の手合いは、子供だと舐めた態度を取るから、

俺が行った方が良いんだよ、

ギルドからの紹介っていうのを証明する為に、

ギルドカードとかを提示する必要があるかも知れないしな・・・」


「・・・畏まりました。

ここで、ケン様と御一緒に待たせて頂きます。」

ラビ子が、不請ふしょう不請ぶしょうという様子で頷いて見せた。


「おう!そんじゃ行ってくるわ」

シュウは、皆に、そう告げると、

受付係と見られる、無表情な初老の男性が佇む、

受付カウンターへと向けて歩いて行った。



「あ~、チェックインを頼みたいんだが・・・」

受付カウンターの前まで行ったシュウは、

何故か、こちらの方を見ようともせずに、

ずっと気難しい表情のままで、前方を見つめている男性に向かい、

そう声を掛けた。


「・・・・・。」


「無視か!

おい!何とか言えよ!」


「・・・ん?

もしかして、ワシに話し掛けて居るのかね?」

男が無表情なままで、シュウに尋ねる


「もしかしなくても、ここにはアンタと俺しか居ないだろが!」


「うむ・・・そうか、

お主の顔付きからして、

架空の人物との会話を楽しんでいるのかと認識したのだが、

どうやら、こちらの勘違いであった様だな・・・」

シュウに応対をする男は、

相変わらず無表情のままで、そう言った。


「それって、どんな顔付きやねん!」


「・・・で、要件は何かね?」


「え?あ、ああ、

チェックインの手続きを頼むわ」


「それを、ワシにしろと?」


「そりゃそうだろ・・・

オッサンは、その為にココに突っ立ってんだろうが」


「ふむ、それは違うぞ青年、

ワシは、ここで日課の瞑想に耽って居ったのだよ」


「えっ!? オッサン、あんた

このホテルの受付係じゃ無いのか?」


如何いかにも!

ここに居るワシは、受付係では無く、

当ホテルのオーナーである『ブアイソー』と申す者である!」


「『名は体を表す』とは、良く言ったものだな・・・」

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