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異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
105/215

職人芸

「ミケルンさん、俺が貴女の店を訪れたあかしとして、

コレをプレゼントしますから、

時々見ては、俺の事を思い出してくれませんか?」

シュウは、魔導リュックの中から取り出した何かを、

ミケルンの方へと差し出しながら、そう告げた。


「あら、木像ですか?

シュウさんが、プレゼントして下さるとおっしゃるなら、

ありがたく頂きますが・・・ええっ!?

もしかして、この木像って私がモデルなんですか!?」

ミケルンは、シュウから手渡された木像を見て、

その像が、自分に瓜二つなのに気付いて、驚きの声を上げた。


「ええ、ミケルンさんの許可なく勝手に作ったのは、

ホント申し訳無いんだけど、

貴女をモデルにして、作らせてもらったんだ」


「モデルにするのは構わないんですけど、

何時の間に、これ程に精密な像を作られたんですか?」


「何時の間にって、ミケルンさんが、

ラビ子達の品物選びに付き合っててくれた間だけど・・・」


「ええっ!?それって、いいとこ2~30分の間だけですよ?

本当に、そんな短い時間で、これ程の逸品を作られたって言うんですか!?」


「いえいえ、プレゼントしといて、こう言っちゃ何ですけど、

その像は、逸品って呼ばれる程の出来栄えじゃ無いですよ?

洋服とかの立体感が今一だし、

細かい部分とかのやすり掛けなんかも甘いですからね」


「そんな事無いですよ、ウチの店でも木像とか、

木彫りの人形などを商品として取り扱っていますけど、

それらの品と比べましても、勝るとも劣る事は無いと思います!」


「そこまで、ミケルンさんに褒めて貰えたら嬉しいですね、

俺もケンも、この手の、木を加工するスキルに恵まれていますから、

この位の木像でしたら、手早く作る事が出来るんですよ」


「シュウさんとケン君の、ご職業が大工さんというのは伺っていたんですけど、

勇者の隠れ蓑として、仮に名乗っていらっしゃったんでは無いんですね・・・」


「ええ、俺とケンは、正真正銘の職業大工ですよ」

「副業で家具造りとかもするけどね」


「はい、これ程の、凄い腕前を御見せ頂いたら、

疑うべくも御座いませんね」


「それから、ついでにリラクゼーション効果を持った魔法も付与しといたんで、

身近な場所に飾って頂いた方が良いと思いますよ」


「えっ!?その上、魔法の付与まで御出来になるんですか!?

本当に、大工としても、王族とか上級貴族の方とかに、

召し抱えられるレベルの才能をお持ちなんですね」


「勧誘とか面倒なんで、余り大っぴらにする心算は無いんですけどね」

「僕達の目的の妨げとかに、絶対なりそうだもんね」


「そうなんですか・・・

それと、何か、この像って良い匂いがしませんか?」


「ああ、その香りは素材の匂いなんですよ、

前に仕事の材料を手に入れる為に、ケンと一緒に、

森にトレント狩りに行ったんですけど、

その時、仕留めたトレント達の中に、

偶々、エルダートレントの亜種で、『パフューム・トレント』ってのが、

混ざってたんですよ」

「見た目は、他のエルダーと変わんなかったよね」


「パ、パヒューム・トレントですって~!?」


「あれ?ミケルンさん、知ってるんですか?」

「もしかして、割と有名な素材なのかな?」

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