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異世界ブラザーズ  作者: シュウさん
101/215

思い

「あんた、いつまでも下らない話をしてないで、

早く、サンゾさん達の所に向かいなさいよ、

余りにも待たせたら悪いでしょ?」

ミケルンが、いつまでもシュウとやりあっているゴクワに告げる


「おっ、そうだった。

忙しい、売れっ子C級冒険者の俺は、

こんなヤツと無駄話をしている場合じゃ無かったな、

そんじゃ俺は、もう行くからよ、また暇があったら顔出すぜ、

それから、オイ!お前、シュウとか言ったな?

いつまでも、ミケルンの商売の邪魔をしてないで、早く帰れよ」


「ええ、サンゾさん達に、

私が宜しく言ってたって伝えてね」

「ゴクワ、お前は、もう来なくって良いからな、

俺は、これからミケルンさんとの愛を育む語らいで忙しいから、

お前の、相手をしてる暇が無ぇんだわ・・・」


「何だと!?この『早く行きなさ~い!!』ちっ、うっせ~な、

分かったよ、俺は行くよ、じゃ~な!」

ゴクワは、尚もシュウに文句を言いたい様子であったが、

ミケルンに一括されて、ブツブツと文句を言いながらも、

冒険者パーティーの仲間が待つ場所へと向かった。


「ふぅ~、ホント世話が焼けるんだから・・・」


「矢鱈と喧嘩っ早いけど、面白い幼馴染ですね」

「キャラが濃い人だったね」


「もぅ、イジって面白いのは分かりますけど、

シュウさんも、余りアイツの事を、からかわないで下さいね」


「ハハハ、ホントすいません、

久し振りに、イジり甲斐があるヤツが現われたんで、

ちょっと、悪乗りしちゃいました。」

「恋のライバルじゃ無ければ、

ゴクワさんって、シュウ兄ィの好きなタイプのキャラだよね」


「ゴクワは、昔っから何かというと、

私の事を、保護しようとする様な行動をするんですけど、

私としたら、良いとこ手間の掛かる弟って所なんですよね」


「あいつは何で、そんなに、

ミケルンさんの事を保護しようって思ってるんですか?」

「そりゃ、ミケルンさんの事が好きだからじゃ無いの?」


「ええ、それはですね、

元々、私とゴクワは同じ獣人の村で生まれ育ったんですけど、

当時、私の両親と、ゴクワの御両親は共に冒険者をしていまして、

同じパーティーに所属していたんですよ、

他にも何人か同じ様な境遇の子供たちが居ましたので、

そういう子供たちは一か所に集められて、

村の託児所の様な施設で皆、兄弟の様に育てられていました。

そんな、ある日の事ですけど、

魔獣を討伐するクエストを受けていた両親らのパーティーが、

逆に魔獣の奇襲を受けまして、

仲間を守ろうとした父が、命を落としてしまったんです。

父の死に、大きなショックを受けた母は冒険者を引退して、

それまで溜めていたお金を使って、この店を建てた訳なんですが、

どうやらゴクワは、御両親を助けて命を落とした

私の父の代わりに、私を守ろうと考えているみたいですね」


「なる程な・・・アイツに取ってのミケルンさんは、

ただ単に、好きな女性ってだけじゃ無くて、

自分の身を挺しても守るべき、家族みたいな認識もある訳か・・・」

「僕らが思ってたよりも、ずっと、

ゴクワさんは、ミケルンさんの事を大事に考えてるみたいだね」

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