伝説の武器
「やっぱ、僧侶のサンゾは、白い馬に乗ってるのか?」
「あ~、そのイメージが強いよね」
ゴクワの、冒険者パーティーの仲間に、
僧侶のサンゾが居ると聞いたシュウが、そう尋ねる
「何で、そんな事まで知ってるんだよ!?
お前、やっぱり俺達を何処かで監視してたんだろ?
サンゾは僧侶だけど、実家が金持ちだから、
確かに一人だけ、親に買って貰った白馬に乗ってるよ!」
「その馬は、やっぱ竜に変身するのか?」
「竜王の第三王子的なね・・・」
「ナンジャそりゃ!?
仲間が、そんなのに乗ってたら、命が幾つ有っても足りないだろが!」
「そこはホラ、何か、召喚とかテーマー的な?」
「魔法使いのゴジョさんが、召喚魔法士とか?」
「ウチのパーティーで唯一、攻撃魔法が使えるゴジョは、
サハギンだから水魔法しか使えないちゅ~の!」
「それだと、水魔法が効かない魔獣とかが出て来たら、
大変そうだな?」
「そうだね、水棲の魔獣とか居そうだもんね」
「その辺は、魔法が付与された武器とかで対応するから、
ダイジョブなんだよ、オレの場合はコイツだな・・・」
ゴクワは、そう言うと、
耳の穴の中から、長さ2センチ程の長さで、
マッチ棒ぐらいの細さを持つ、
棒状の何かを取り出して『伸びろ!』と命令する、
すると、その小さな棒がニョキニョキと伸び出して、
最終的には、ゴクワの右手に直径3センチ、
長さ2メートル程の赤い棒が握られていた。
一見、木の棒に、赤い塗装を施されている様に見え、
その両端には、金色の金属によって装飾が施されていた。
「お~!もしかして、
その、見た目、武器っぽい棒は『如意棒』ってのか?」
「使う武器まで、本家にソックリなんだね」
「おう!確かにコイツの名は『尿意棒』だ!」
「・・・『如意棒』?」
「いいや!『尿意棒』だ」
「一応、聞いてみるが、
その武器には、どんな魔法効果が付与されてるんだ?」
「魔力を流したコイツで殴られたヤツは、
強烈な尿意を催して戦闘どころじゃ無くなるんだよ、
まあ、中には稀に、
垂れ流し続けながら、戦いを続けるという猛者も居るがな・・・」
「やっぱ、イントネーションの違いとかじゃ無くて、
まんま『尿意棒』なのかよ!
それと、戦闘中に使われると、地味に嫌な効果が付与された武器だな」
「そうだね、僕だったら絶対に戦いたく無いな」
「ハハハ、そうだろそうだろ、
この武器を使いこなすのには、俺も凄ぇ苦労をしたからな、
最初は、込み上げてくる尿意に、何とか対抗しようとしていたんだが、
最終的には諦めて、今は常時オムツ装備だ!」
「自分にも魔法効果が出るのかよ!?
常時オムツ装備とかって、どんなハードプレイだよ!?」
「確かに、仕事が冒険者じゃ、
いつ突然、戦闘になっても、おかしく無いもんね・・・」




