表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イデアリンクスーどうやら転生したようですー  作者: 兎神遊
第1章 転生後の世界は異世界
2/15

第1話 「誕生」

そこは暗いまどろみだった。

光で照らされることはなく、どこか心地いい空間だった。


時々揺らされる感覚と、安らぎを与えてくれる声のようなものが聞こえてくる。


まるで死んだときに訪れる、祖先による宴や魂の還元ともいえるものがこのような感覚を与えてくれるのだろうか。


暗い空間で一筋の光が照らされた。

そして光から延ばされた手によってその空間から出されたのだった。


「ーー・・--・--」


「ーー・--・・-」


よくわからない空間から引き上げられるとそこには白髪の目立つきれいな女性と、髭を少しだけ生やした茶髪の男性が安心したようにこちらを見ていた。

周りをよく見ると、幼子を足にしがみつかせる金髪の女性もいた。

何か言ったようだったが、よくわからない。

日本語ではないのだろうか?



よくわけもわからず、だが俺自身の経験したことを思い浮かべてみると、きっと自分は救出されたのだと気づいた。


平凡な高校生活の授業中突如として起きた地震によって校舎が崩れ、その下敷きになっていたのを救出されたのだろう。


自身の感覚では数舜だが、周りの緊張と安堵した顔つきを見るとずいぶん日が立つのだろう。


「あ・・うあ・」


お礼を言おうとするが、うまく声が出せない。


すると白髪の女性に抱きかかえられ、頭を撫でられた。

心なしか、身体が小さくなってしまったかのように感じる。地震の際に瓦礫か何かに腕や足を潰されているのだろろうか?


「ーー・・-」


白髪の女性から受け取るように茶髪の男性が抱きかかえると、顎のひげをこするように頬ずりをした。

正直、痛い。


「ーーー・・-・・」


白髪の女性が何か言うと、男性はシュンとなり金髪の女性が微笑んでいた。

幼子がこちらに手を伸ばしてきていた。


そちらに手を伸ばしながら、母や父は大丈夫だったのだろうか?

そんなことを考えていた。




※ ※ ※ ※


1か月の月日が経った。

そこで、自分自身何が起きたのかが多少なりともわかった。


どうやら日本ではない異世界に生まれ変わったらしい。

よく聞く転生っていうやつだ。


漫画や小説で出てくる転生とは違い、実際自分転生してしまうと困ったものである。


まず、言葉がわからない。

まだ生まれて1か月と考えると当然のことなのだが、日本に住んでいた記憶があるため違和感を感じてしまう。


同様に字がわからないというのも問題だ。

見覚えのある字を何度か見かけることはあるのだが、発音が同じでいいのか悩むところなのだ。


そしてどうやら、この世界も漫画や小説のテンプレに漏れないようで科学より魔法が発達した世界のようだった。

もしかすると化学式や物理なんて概念がないのかもしれない。



目が覚めて最初に見た白髪の女性は母親で、名前はシルフィエール・ヴァイスハーゼと言うらしい。

茶髪の男性はグレン・ヴァイスハーゼといい、この二人の子供の俺はレイフィール・ヴァイスハーゼと名付けられた。

愛称はレイで呼ばれている。


ちなみに金髪の女性は侍女のアイズ・ルクスレス、幼子はアイズの娘のクリス・ルクスレス。



家族構成としてはこんなものだろうか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ