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フレームフロンティアオンライン[Frame Frontier Online]  作者: 長月シイタ
フレームフロンティアオンライン
9/11

第七話 朝日に包まれて

 朝焼けのまぶしい光が差す荒廃したビル街。

 立ち込める朝靄の中、タッと地面をけると音同時にスラスターの青い光と右腕装甲から赤色の細いエネルギーサーベルが靄を切り払う音とともに真紅の機体が現れる。

 ゴーグル姿のミドル使いは、サブシールドを展開しつつ右肩に振りかぶられたサーベルを右後ろに身体を傾けてギリギリの所で避け――――


「……っとッ!」


 ――たと持ったら刃がぐんと伸びて盾を真っ二つに両断する。


「そういう初見殺しは心臓に悪いからマジヤメロって……」


 少し焦りながら後ろに距離を取るとガシャンッという音とともに細長い銃身がこちらに向いていた。気づいて後ろに飛び距離を取ろうとした瞬間、まばゆい光と雷のような音が轟いた。


「……ッ!?」


 その直後、地面の砕ける轟音とともに砂煙が高く舞った。数秒後ボフッと煙の中からゴーグル男が出てきた。


「クッソなんだあれ……BOUNDが根本から折れるってどう考えても連結レールガンの威力じゃねぇぞ……」


 愚痴りながら後退するゴーグルのサイドアームからは実弾防御用の二層式シールドがつながっていたアームの先ごと消えていた。味方も落ちた今これ以上の損害はマズいと体制を立てなおそうと全力でバックしていると。いきなりブワァッと砂煙が一瞬で晴れた。

 

「……」


そこには、背中のラックから引き抜いた剣を構える少女が朝日に照らされて立っていた。剣の先端は先が不自然に正三角形になっており、三角形の底から鍔の部分まで一直線に欠けていた。

 キィィィンと高い音が浅く響いた瞬間。少女が地面を蹴った。


(なんつゥ速度だよホントに同じミドルかぁ!?)


 もはや地面すれすれを飛んでいるかのような速度で一気に距離を詰め。構えた剣を一直線に振り下ろす。ゴーグルは立ち止まってから刃を右手の小型シールドで上から下へといなし、その隙に左のチャージパルスガンを放とうと――――


「ッ!?」

 

 した瞬間。峰部分の欠けた所にビーム刃が飛び出しそのまま斜めに振り上げ実弾シールドごとゴーグルの胴体をブッタ斬った。


「なん――」


 何が起こったのか理解する間もなくゴーグルは淡いポリゴンの粒となって消えていった。残った少女は剣からビーム刃を消し、肩のラックへと戻した。


「お姉さま」


 呼ばれた声に振り返ると、そこには同じくらいの背の少女が重そうなスナイパーライフルを構えて立っていた。

 直線基調の紅蓮とは違い、全体的に丸く流線的なフォルムに邪魔にしかならなそうな棘の羽根やらがトゲトゲとくっついた、金色と白のカラーを基調とした高貴とも言える雰囲気を醸し出す機体。


「ミナさん。こちらは問題なく終わりましたよ」

「えぇ、屋上から見ていましたわ。不意打ちで一人目を倒せたのが大きかったですわね」

「そうね……」


 健全な世界のために――少女は輝く作り物の朝日にそう誓った。




 ――――――


 ――――

 

 ――


「おぉっとここで『NX』が『D・M』に敗北! 先ほど不意打ちで退場した『しゅとるひ』と合わせてこれで『竜頭竜尾』の二人が早くも脱落だ!」


 憂喜はホールに響く司会の声を聞きながら所属チーム『ロンリーオンリー』のチームメイトと試合内容について話していた。


『んんwww今のレールガンは折りたたみ式にしてはちょっと強すぎるんではないですかな?wwww』

『見た感じアグニに迫る火力でしたなwwwけれどやっぱりヤイゲキの火力には敵わないwwwww』


 ……チャットでだが。

 話しながらも画面に集中していると、さっきの場面から移り変わりビルの階段を登る姉と兄の姿が画面に映った。


(絶対勝ってね。ユキ姉、ユキ兄……)

「やっぱり心配ですかな?」


 画面をジッと見つめているとリーダーの『ヤジカゼ』が声をかけてきた。180cmくらいの大男で、全面に顔文字が表示される白い箱型フェイスメットを被っている


「う、うむ……ゲームの事もありますが世話の掛かる兄と抜けてる姉でありますからな……」

「夜鬼氏は家族思いなのですな」


『そういう家族愛は我的にも役割を持てますな。勿論一歩進んで兄妹愛まで行っちゃっても充分アリエール』そう言ってヤジカゼは笑顔で頷いた。


「にしても夜鬼氏の兄上の装備異教徒過ぎませんかな?」

「兄は完全に異教徒ですからな……電が手に入るまで速さが足りない速さが足りないってうわ言のように呟いておりましたぞ」

「んんー遭遇戦、室内戦等の咄嗟の接近戦に弱いボイトフレームはやはりあり得ない。たとえ先手を取られたとしても、ヤドル、ヤヴィであちらの一撃を耐えてこっちの一撃を当てればいいだけの話なのですな」

「その通りですな。しかし新しく新調したらしい姉の方の装備は論理的なのではないですかな?」


 そんなことを話していると。ぴょこっぴょこっと頭の上に吹き出しを作りながら周りのチームメイト達が話に参加してきた。


『ヤッケージは確かに装甲は少し物足りないですがそのヘヴィに迫る積載は魅力的ですなwww』

『しかしやはりレーダーはアリエナイwwwwwその分の積載をOIGAMIヤイガミにでも回したらどうですかな?www』

『んんwwwヤイガミは取り回しの悪さ故既に二軍落ちしてますぞwww肩キャノンならGungnirヤングニルの方が圧倒的に使いやすいんですなwwww』

『確かに素ではヤングニルに劣りますなwwwしかし高速展開モジュールを追加することによって取り回しの悪さも多少改善して使いやすく――――


 やいのやいの議論を始める仲間たちは置いといて、画面に目を戻すとヘヴィとライトの二人組がビルの一階らしきホールの柱になにやら細工を仕掛けているのが映っていた。


「あれ、ここは……」


 


 ――――――


 ――――


 ――


 

 時間は少し巻き戻って姉弟視点。二人は戦況把握のためにビルの屋上を目指していた。


「ふぇぇ……ゲームの中だから疲れはないはずなのに疲れてる気がするよぅ……」

「まぁ感覚的には休まずずーっと階段登ってるわけだしね。まぁでもそろそろ……って言ってたら着いたね屋上」


 顔を上げると上には小窓の付いた扉から漏れている光が見えていた。階段を登り切りドアを開けると眩しい朝日に照らされた。


「眩しっ……! ……今朝だったのか」

「そうみたいだね。ん~っ! いい気持ちだね!」

「作り物だけどな。ソラ、レダ張ってくれる?」

「はーいシナ。これを置いてここを立ててと……うん。ちゃんと赤い点映ってる」


 ユキ姉が背中のラックから折りたたみ式のレーダを立て端末の地図を確認していた。点が映ってるってことは正常に稼働した証だろう。


「――って赤い点って敵の反応じゃねーか!? ちょっとそれ見せて……っ」


 ユキ姉の端末を借りると確かに自分達がいる建物と同じ場所に赤い点が二つ光っていた。


「つけられてたかただの偶然か……ってあれ、ビルから離れてく……」


 赤い点がビルの位置から離れて――移動速度的に片方はヘヴィだろう。少し離れた所で点が止まった。まるで何かを眺めるためのような……

 その時。ズドォォオンと爆発音が響いて床が揺れた。


「まさか……下の階が爆破されたのか!?」

「ええええ!? ど、どどどどうするの――ってふぇっ!?」


 予想外の事態にテンパる姉を抱え、既に徐々に傾きかけてる床をブーストを吹かして上へと駆け上がる。端にたどり着いた瞬間落ちた最高速度を上げるためにもう一度再点火。スピードを上げ手すりを蹴飛ばし地面を蹴る。

 その瞬間ビルが轟音を立てて崩れ去った。

毎日更新で燃え尽きた途端これだよ!(二ヶ月遅れ)

 そんなわけで戦闘シーンをチョビっと挟んだらこんな遅さになりましたマジサーセンっす……もっと精進せねば

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