プロローグ
「うぅ……ゆうくーん……」
「入ってくるなりなんだよ姉さん……またwikiでにわか発言してフルボッコにされたのか?」
自分のホームに置かれている初期家具のベッドでくつろいでいると。入口に黒い髪に真面目ゆるふわ系なほわっとした顔立ちとミスマッチな水中迷彩(という名のただの水玉柄)サバイバルジャケットとキャップをつけた同い年くらいの少女が涙目で立っていた。
「ち、違うもん……それはあれから気をつけるようにしてたし……」
「じゃあ何したのかページ見せて……」
何もない空間を指ですーっと弾いてメニュー画面を開いてから、しばらく操作したあとこっちに画面を向けてきた。そこにはこのゲームのwikiの雑談掲示板の一つのやり取りの部分が開かれていた。
そこの部分をよく読んでから深い溜息を吐いて少女の方を向いて話しかける。
「ユキ姉」
「うん……」
「『イベントをやっていたら<PGM ヘカートⅡ>っていう銃を手に入れたんですけどこれってレア物ですか!?^^』なんて自慢にしか見えない文に、プラスご丁寧に『^^』まで付けてたらそりゃ煽り返されるわ」
「よくわかんないんだけど……」
「お前には無意識で人をイラつかせる才能がある」
「すっごいひっどいこと言われた!?」
まぁ実際は下の枝で騒いでる奴のせいなんだが、説明するのもめんどくさいのでそれは黙っておこう。
「それで。入ってきたってことは今日もやるんだよな?」
「うん! するよ、特訓!」
意気込んでる姉の声を聞いて、俺は起き上がってさっと出したメニュー画面を操作し部屋着を着替えパイロットジャケットへと変更する。
「インベントリは……そうだ『フレーム』のEN補充してなかったんだ」
「それじゃあまずそっちが先?」
「そうだな……とりあえず行こうか。
「うん!」
そうして俺ら二人は新たなる世界への扉を開いた。
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すべての準備が完了しました。ようこそ『フレーム・フロンティア・オンライン』へ。あなたの帰還を歓迎します。
続きものではありますが六話程度で終わる予定になっております。代わりと言ってはなんですが一週間ほどだけ毎日更新していきますので(できるといいなぁ……)暇潰しにでもどうぞ。
誤字脱字、感想などお待ちしています!(まだプロローグだけど)