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酒場の外で
店を出ると、燐が腕を組んで深刻そうな顔で何かを考えていた。
「おい、燐。……燐?」
近寄って名前を読んでも返事が無い、というか、聞こえていないようだった。
「………あっ、湊君」
数秒待って、ようやく燐が俺に気付いた。
「何してたんだ?」
「湊君が聞き出してくれた情報を頭の中で整理してこれからの計画を立ててたんだよ」
……意外としっかりしてんだな、こいつ。
「で? 俺はこれからどうすりゃいいんだ?」
「一応、もう少し情報収集してみよっかなぁと」
「じゃあ、どこ行くんだ?」
「どこにしよっかなぁ……どこがいい?」
「いや俺に聞かれても―――」
その時。
「ふざけんなぁぁぁぁあっ!!!!!」
誰が聞いても怒り心頭だと解るレベルの叫び声が、通りに響いた。
「な、なんだ?」
「あの声……広場の方だ! 行ってみよう!」
燐と一緒に広場に向かった。
短くてすいません。
次から登場人物増える予定。