酒場
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扉を開くと、ドアベルが鳴り、いらっしゃい! と威勢のいい女性の声が聞こえたのとほぼ同時に、酒場特有の酒の匂いがした。
「あれ、お客さん、もしかして初見?」
店員だと思われる女性が挨拶に来た。俺よりも少し背が高い、大人の女性といった印象だ。
「あ……はい」
しどろもどろになりつつそう答えると、不意に俺の顔をまじまじと見つめてこう言った。
「んー……人外ではないみたいね。男? 女?」
「え、えっと……男、です」
「出身はどこ?」
し、出身?
『日本って答えて!』
燐の声が頭に響いた。なるほど、声を出さずに会話ができるって、こういう事か。
「に、日本です」
「ってことは、異世界人か……しかも男。大変だったね…」
同情してくれたのか、優しく頭を撫でてくれた。
「それで、ここには何をしに?」
「えっと……なんだっけ?」
「え、忘れちゃったの?」
「あ、ちょっと待って下さい」
とりあえず女性に背を向ける。
何訊くんだっけ?
『女帝の事を訊くんでしょ? 忘れちゃったの?』
冷静な声と共に、まるで締め付けられているかのように頭がキリキリと痛む。燐の奴、完全にお怒りモードだ。つか、キレてる。
「え、えっと……この国の、女帝の事についてちょっと訊きたいなぁと…」
再び女性の方を見て、頭痛に耐えながらそう言った。
「あー、最近多いのよ、女帝様の事訊きに来る人」
「そうなんですか?」
「うん、何でも、女帝様もかなり人口が欲しいみたいで、色んな世界から拉致って来たり、色んな地域から呼び寄せたりしてるみたいなの」
「それって……反発が起きたりしないんですか?」
「それが、この国の女帝様は相当強い魔力をお持ちの様で、どんな武器をもってしても歯が立たないそうなのよ」
サラッと、言われてしまった。
「じゃあ、どうすれば?」
「どうすればって、女帝様を倒す気?……辞めときな、消されちゃうって。諦めた方が身のためだよ」
……って言われちまったんだけど、どうすりゃいいんだ?
『うーん……話の流れ自体は予想通りって感じ。とりあえずもうちょっと情報聞き出しておいて』
「えっと……女帝様って、どうしてそこまで強い魔力を持ってるんですか?」
「それね、理由なんて知ってるの、王族ぐらいなんじゃないかな。
地下にマグマみたいに魔力が溜まってるとか、特別な術師がいて、その人から手助けされてるとか、根も葉もない噂立ってるけどね」
「都市伝説、って事ですか?」
「そう言われるとそうなっちゃうね」
「そうですか……ありがとうございます、店員さん」
「店長だよ。それに、私、みんなからは"キィ"って名前で呼ばれてるんだから」
「あ、解りました。ありがとうございます、キィさん」
礼を言って、酒場を出た。