城下町
久々に更新するんで間違えて別の小説に更新しそうになっちゃいました。危ない。
「な、何だこれ…!?」
来て早々、俺はかなり普通なコメントをしてしまった。
城下町と入っても、てっきりテントとかが並べられた市場のようなものを想像していたのだが……。
俺が見たのは、テント、というよりも、レンガ造りの民家が並んだ普通の住宅街だった。―――なんか、ローマとかに有りそうだ。
「これ、城下町…?」
「そうだよ。湊君の想像とは少し違うみたいだけどね」
燐にはピアスを通して俺の頭に思い描いた城下町が伝わっている。
「で、これからどこに行くんだ?」
「情報収集だから……酒場とかかなぁ」
「え、なんで酒場? こういう時って、普通ギルドとかじゃないか?」
「そんなものこの国には無いよ。作者がシステム知らないから」
「ああ……なるほどな」
城下町を歩いていて思ったのだが……当然というべきか、何というべきか。
女性しか見当たらない。
髪が長かったり、身長が高かったり、色々差はあるものの、見かけるのは女性ばかりだ。
でも、会話をよーく盗み聞きすると、男言葉を使っているところから、ここにいる人たちの半数近くは男性なのではないかと思われる。
見た目は綺麗な女性なのに、言葉だけは男……見事に滑稽だ。
「……湊君も似たようなものだけどね」
俺の思考を読み取ったのか、燐がぼそっと呟いた。
「勝手に思考読まないでくれ」
「だって伝わっちゃうし」
「……」
なるべく何も考えないようにしよう……。
「ここだよ」
俺たちがたどり着いたのは、大きい木の扉と、レンガ造りの建物。文字通り、酒場だった。
「……でもさ、燐」
「何?」
「俺、未成年なんだけど、入って大丈夫なのか?」
「大丈夫だよ。この国はお酒も煙草も0歳からオッケーなの」
「ま、マジで!?」
それって、子供の成長とか大丈夫なのか? 子供が小さいうちから煙草とか吸ったら大変な事になるんじゃ……。
「―――と思うじゃん? でもね、この国の嗜好品はそういう悪い物質が一切入ってないんだって。無害な嗜好品なんだよ」
……また思考を読まれた。
「ところでさ、湊君」
「何だ?」
「ここの酒場さ……人外入室禁止なんだよね」
「ふーん……って、え?」
ってことは、もしかして……。
「……湊君、1人で聞き込み行ってください!!」
と言いながら、見事な礼をされた。本当に見事に90度。
「え、い、いや、だって俺、何訊いたらいいかわかんないし……」
「それは大丈夫!! この国に来たばかりの人は大体この酒場に集まるんだ。だから、普通にしていれば情報は得られると思うよ!」
すっげえ根拠がない……。
「ま、まぁ、頑張ってみる」
「ありがとう!! 何かあったらピアスで指示するから!!」
笑顔で燐に見送られ、俺は酒場へと向かった。
誰がギルドなんて出すかよ
(2021年9月26日追記)↑そんなこと書いてましたが、現在ギルドが出るような小説を考えてます……申し訳ありません。