再び女帝国
「うーっ……」
眩しさに目を閉じて、数秒後。
目を開けると、先ほどのような原っぱが広がっていた。
「湊君! おかえりっ!!」
途端に聞こえた、元気な声。
背後に燐がいた。
「おかえりっていうか……ただいまっていうか…」
何だこの複雑な気分。
「……それにしても、湊君。実に見事な服装だよ」
「え?」
改めて、自分の服装を見下ろす。
「――あれ?」
変な違和感に気が付いた。
さっきまで膝下ぐらいだったスカートが、なぜか膝上になっている。
「スカート縮んだ?」
「逆だよ、湊君が成長したの」
「へっ?」
「私が召喚したから、だと思うんだけど、えっと、要するに……何でかはわからないんだけど、女の姿だと、元の男の姿よりも身体が大きいらしくて、多分、今の湊君の身長は、推定160センチってところだろうね」
「ひ、160センチ!?」
5センチも成長している!!
「……って事だから、さっきまでブカブカだった服や下着が、やたらピッタリきてるでしょ?」
「ああ、確かにこれはすごいな!!」
「―――だからって、ずっとこのままでいいとか思っちゃだめだからね?」
ギクリ。
「そ、それは……」
「言っておくけど、もうピアスの電源つけてるからね?」
燐がピアスを指さしながら呟く。
「うっ……わ、わかったよ…」
「……そんじゃ、早速出発しようか!」
「え、出発って、どこに?」
「どこって、城下町」
「は?」
「女帝がいる城の城下町だよ!! まずは情報収集!行くよ!!」
燐が俺の手を掴んで意気揚々と歩きだした。




