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不安

久々の更新で、矛盾が発生しまくってるため、過去に投稿した部分をいくつか編集したので、最初から読み直した方がいいかもしれないです

 湊君を、酒場の前で待っていると……。

「見つけたぞ!」

 と、声が聞こえ、兵士のような人達がやってきた。

「なっ……何!?」

 西洋の甲冑を着た人達……この辺りでは見ない格好だ。

「その子供、我々に渡してもらおうか」

 いきなり、そんなことを言った。

「え、メアリーちゃんを? どうしてですか?」

「あなたには関係のないことだ」

 私には、関係ないこと……。

 ふと、メアリーちゃんを見下ろすと、私の足にしがみつき、ぶるぶると震えていた。

 ……何だかよく解らないけど、怯えているのに渡すことなんてできない。

「嫌です」

 抱き上げ、拒否した。

「どうしても、か?」

「は、はい」

 そう答えると、懐から、剣を取り出し、こちらに向けた。

「っ……!?」

「その子供をよこせ。女帝様からの命令だ」

 女帝の……!?

「い、嫌っ!!」

 一目散に逃げだした。

「待てっ!!」

 兵士達も、追いかけてくる―――。



 正直、どこを走ったのかも覚えていない。

 気が付けば、町から離れた川のほとりにいた。あの兵士達は、もう追ってきてはいなかった。

「りん、だいじょうぶ?」

 汗だくになって、息も上がっている私を、メアリーちゃんは気にかけてくれた。

「だ、大丈夫だよ……にしても、何だったんだろうね、あの人達……」

 メアリーちゃんを狙っているなんて、どういうことだろう?

「あっ、湊君……」

 逃げるのに夢中で、すっかり忘れていた。

「湊君! 聞こえる? ……あれ、返事がない」

 まさか、また、ピアスの電源、切っちゃったのかな。

 どうしよう、酒場に戻る? でも、またあの兵士達に遭うかも……。

「ホテルに戻ろっか……迂回すれば、兵士には遭わないはずだし」

 湊君には、後で事情を話して謝ろう。

 ホテルへ向かっている途中、さっきの兵士のことについて考えていた。

「ねえ、メアリーちゃん。あの人達、見覚えはある?」

「ない。すっごくこわかった」

「そっか……もう大丈夫だからね」

 抱きしめると、嬉しそうに微笑んだ。


「戻りました……」

 兵士に遭わないように、何とか、ホテルまで戻った。

「おかえり。湊はどうした?」

 ガーネットさんが迎えてくれた。

「実は―――」

 先程起きたことを話した。

「へ、兵士? 女帝のところに、そんなのいなかったはずだが……」

「えっ、そうなんですか?」

「ああ、少なくとも、俺がメリルと女帝のところに行った時は、いなかったな。もしかしたら、魔力で作った人形、とかかもな」

「そ、そんなのが、いるんですか?」

「あくまで予想だがな」


 その後、部屋に戻ってしばらく待ったが、湊君は戻ってこなかった。

「みなと、どうしたの?」

 メアリーちゃんが不安そうに訊いてきた。

 本当にどうしたんだろう……ピアスで呼び掛けても、返事が無いし……。

「大丈夫だよ。必ず、帰ってくるからね」

 メアリーちゃんにはそう言ったが、頭の中は不安でいっぱいだった。

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