もう1つの決意
書き方、変わってるかも?
「メリルさん、いますか?」
湊君には聞かれたくない話なので、ピアスの電源を切ってから、ノックし、スタッフルームに入った。
中にあるミニテーブルの上に、メリルさんはいた。
「燐様、どうかしましたか?」
「ちょっと、お話がありまして……」
「もしかして、湊様の事でしょうか?」
笑顔でそう言った。
「……解ります?」
「ええ、さっきと顔つきが違いますから」
確かに、そうかもしれない。
「その様子ですと……何か、決意したようにも思えますが……」
「実は、そうなんです
私、この世界にいるうちに、湊君に告白します」
そう言うと、メリルさんは驚いた顔をした。
「てっきり、元の世界に戻ってから告白するのだと思っていました……」
「本当は、私もそのつもりだったんですけど、元の世界に戻っても、また会えるかなんて解りませんし……私は、ここでは湊君の保護者なわけで、彼の身の安全を守らなきゃいけなくて……そりゃあ、無茶や我がままも沢山言いました。でも、嫌がらずにやってくれて……」
私の記憶の中にいた、あの優しい男の子は、今も優しいままだった。
「元の世界には、彼の生活があって、私の生活がある。この世界での事が終わったら、もう後は、赤の他人なんです……玉砕のつもりで告白します」
「そうですか……応援しますわ! 頑張ってください」
「ありがとうございます」
頭を下げ、フロントを出た。
食堂に戻ったのだが、湊君の姿は無かった。
というか、メアリーちゃんもいなかった。
「あれ?」
部屋、かな?
すると、食器を片付けに、ガーネットさんが入ってきた。
「あ、ガーネットさん、湊君、部屋に戻ったんですか?」
「え? 湊なら、メアリーを連れて出て行ったが……何も聞いてないのか?」
「また……ですか?」
「ということは……あいつ、また何も言ってないんだな?」
「……」
メアリーちゃんも連れて――。
「―――おい、燐! 大丈夫か!?」
気が付けば、ガーネットさんに支えられるようにして床に座り込んでいた。
「何だかわからんが、湊からは『燐にはすぐ帰るように伝えてください』って言われたぞ?」
「え……」
すぐ帰るって……。
「湊君、どこに行くって言ってました?」
「ロレンスの所だと言っていたが……」
「ありがとうございます」
「……まさか、1人で行くつもりか? 危険だぞ、湊が、戻ってくるまで待っていた方が……」
「そんな事言ってられないんです!!」
水を打ったように静かになった。
「あ、す、すみません……」
慌てて謝ると、ガーネットさんは首を振った。
「解った、気を付けて行ってこい。何かあったら、すぐに逃げるんだぞ」
「はい」
湊君を追って、ホテルを出た。




