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遼州戦記 司法局実働部隊の戦い 別名『特殊な部隊』と悪魔の研究  作者: 橋本 直
第五章 『特殊な部隊』と新たな同居人
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第14話 ちっちゃい姐御と自由な日々の終焉

「どうすんだよ! ちっちゃい姐御が来たら……今までのアタシらの自由な日々は、遠くの向こうに跳んで行っちまうぞ。それでも良いのか?」


 かなめが身をかがめて声を潜め、眉間にしわを寄せた。普段は堂々と構える彼女が、まるで悪夢に怯える子どものように取り乱している。


 貴族出身で権威主義者である彼女にとって、『中佐』という階級は恐怖そのものだった。ましてや、それが遼州圏、地球圏にも響き渡る『汗血馬の騎手(のりて)』の二つ名を持つクバルカ・ランともなれば尚更である。


「みなの緊張感が保たれて、綱紀が粛正される。問題ないな。すべてにおいて良い傾向だ。西園寺の今日のような非行も無くなるだろう。全く持って歓迎すべきことだ」


 カウラの冷ややかな声が響き渡る。かなめの独断専行にいつも手を焼いていたカウラと向かい合って座る誠とアメリアは、思わず同意のうなずきを交わした。

挿絵(By みてみん)

 部屋の空気が一瞬だけ和らいだが、かなめの表情は依然として引きつったままだった。その様子にはこれまで寮の『女王様』として君臨し、寮長の島田を尻に敷いて好き勝手してきたかなめの面影はどこにもなかった。


「カウラ!テメエ!隠れてパチンコ行ってるのばらすぞ!それでも良いんだな!」 


 カウラとかなめがにらみ合った。ようやく痛みがひいたのかゆっくりと立ち上がったアメリアがすねを抱えて転げまわっていた島田の襟首をつかんで引き寄せた。


「正人ちゃん。サラも下に来てた様な気がするんだけど……それも指示書にあったの?自分の彼女がどさくさ紛れて同棲なんて、純情硬派が笑わせてくれるわね」


 どさくさ紛れに彼女であるサラまで同居すると言うアメリアもまた、階級に物を言わせて島田の言うことなど聞かずに自由にふるまってきただけあって不審そうな目で島田を見つめた。 


「ありました!なんならお見せましょうか?それに部屋は俺とは離れてますから!何ならアメリアさんが監視についてもいいですよ!俺達はあくまで清い交際をしているんです!」 


 サラとの付き合いが公然の事実である島田が開き直った。そしてそのままアメリアは胡坐(あぐら)をかいて目をつぶり熟考していた。


「茜さんは元々仕事以外には関心が無い。問題ないわね。ラーナも同じ。そしてサラはいつも私達とつるんでいるから別に問題ない。そうすると……」 


 アメリアは自分のランから目の敵にされている勤務中のエロゲ作成が遅れることを気にしていつもより真剣な表情でそうつぶやいた。


「やっぱ問題になるのはあのちびじゃねえか!アイツは副隊長の地位を利用していろいろ言って来るぞ。どうするよ。誰が責任取るんだよ!島田!全責任はオメエが取れ!オメエは寮長だ!アタシ等を管理するのがオメエの仕事だ!アタシ等の自由勝手を許してきたオメエが姐御の怒りの対象になれば何の問題もねえ!」 


 かなめは絶望に頭を抱え、アメリアは天を見上げてただひたすら自分の行ってきた悪行を後悔する。三人の女性上司が来て以来の頻繁に起きるもめ事のほとんどの原因はこの二人によるものだった。


 かなめは気に入らないと寮生を殴り、アメリアは自分のエロ同人誌を法外な値段で寮生に売りつけ法外な利益を稼いでいた。


 ほとんどの隊の馬鹿な企画の立案者のアメリアとその企画で暴走するかなめにとってはそのたびに長ったらしい説教や体罰を加える元東和陸軍特機教導隊の鬼の副隊長の同盟司法局実働部隊副長クバルカ・ラン中佐と寝食を共にするのは悪夢以外の何者でもなかった。


「まあ、捜査が続く間はおとなしくしていることだ。というわけで西園寺。部屋に帰るぞ。神前、毛布を借りるぞ。裸のまま西園寺に歩き回られては風紀に関わる」 


 そう言うと立ち上がったカウラがかなめの首根っこを掴んだ。かなめは毛布で体をくるみながらランへの恐怖に引きつった笑顔で誠を一瞥した。

挿絵(By みてみん)

「わあった!出りゃ良いんだろ!またな。神前。今度はちゃんと行けるとこまで行ってやるから」 


 かなめはカウラに引き立てられるようにして渋々立ち上がる。ランの入寮で自由が効かなくなることを想像しているアメリアはぶつぶつ独り言を良いながらそれに続いた。


「まったく。面倒な話だな」 


 島田もランの目が届かないことをいいことに好き勝手してきた自覚が有るので、彼女達を一瞥するとそのまま立ち上がり、誠の部屋のドアを閉めた。


『だんだん偉い人が増えるんだな。しかし……これはチャンスを逃したのかもしれないな。『モテない宇宙人』である遼州人の大半は童貞処女で一生を終えると言うからな……さすがにそれはそれで悲しい』 


 そう思いながら着替えをしていた誠だが、すぐに緊張して周りを見回した。先ほどの隠しカメラの件もある。どこにどういう仕掛けがあるかは島田しか知らないだろう。そう思うと出来るだけ部屋の隅で小さくなって着替えた。


「寒!もうそんな季節か。僕がこの隊に来た時は暑くて仕方なかったのに」 


 思い出してみれば窓が開いたまま。とりあえず窓を閉めてたんすからジーンズを取り出した。そのまま何とか出勤できるように上着を羽織って廊下に出た。いつものようにあわただしい寮の雰囲気が広がっていた。夜勤明けの整備班員が喫煙所から吐き出す煙を吸いながら階段を下りて食堂に入った。


 その日の食事当番はアメリアだった。いつもの事ながら要領よく味噌汁などを配膳しているアメリアを見て誠は日常を取り戻した気がした。


「誠ちゃん!サービスでソーセージ二本!これで私のイメージアップ!遠慮せずに食べてね!」 

挿絵(By みてみん)

 アメリアは誠を見ると笑顔を浮かべて管理部の眼鏡の下士官からトングを奪って誠のトレーに一本限定のはずのソーセージを乗せた。


「良いんですか……って先輩すいません。アメリアさんは暴走するといつもこうなんで」


 誠はランが来たというのに相変わらず自由なアメリアに苦笑いを向けながら相方の食事当番の下士官にそう言った。


「そんなの分かってるよ。俺の方が神前よりアメリアさんとは付き合いが長いんだ。アメリアさんがいつもこうなのは知ってるよ」 


 メガネの下士官はアメリアの気分屋のところを知り尽くしているように諦めながらそうつぶやいた。思わず振り向いた先に嫉妬に狂う同僚達の冷たい視線が突き刺さった。


「良いんだって!誠ちゃんは特別なんだから!」 


 そうアメリアに言われてそのまま味噌汁を受け取り、誠は自分のご飯を盛り付けた。


「おう、これが飯を食う場所か?おう!みんなちゃんと朝飯は食ってるな!朝飯を抜くと士気に関わるからな!しっかり食え!」 

挿絵(By みてみん)

 ランの声が響くと隊員達は一斉に立ち上がり小さなランに敬礼した。司法局実働部隊の副長である彼女は悠然と敬礼を返してアメリアが食事の盛り付けをしているところにやってきた。


「ランちゃんも食べるの?」 


 アメリアに何度注意しようが『ちゃん』付けが直らないことでランはアメリアの指導を諦めていた。


「おー、朝飯なら食ってきたからな。それより今日はここの施設を見て回ろうと思ってな」 


 何気ないランのこの一言に半数の隊員がびくりと震えた。寮の規則の多くは島田の温情で有名無実なものになっており、多くの隊員は寮則の存在を忘れていたところだった。当然、何よりも規律を重んじるところのある鬼の副隊長であるランが動けばどうなるか。それを想像して食事をしていた隊員達の箸の勢いが鈍るのが誠にも見えた。


「私達は勤務だけど……菰田君?案内は」 


 アメリアの言葉にさらに数人の隊員が耳を済ませているのが分かった。技術部整備班班長の島田正人准尉と管理部経理課課長代理の菰田邦弘主計曹長の仲の悪さは有名である。菰田はこれを機会に島田を陥れようと島田の悪行の数々をランに吹き込むに違いない。島田の車好きにかこつけて寮則違反の物品を部屋に溜め込んでいる隊員には最悪の事態なのが誠にも見て取れた。


「案内なんていらねーよ。それに菰田に案内させると困る連中もいるんだろ?そんぐれー分かってるよ。アタシは出来た上司だからな」 


 そう言ってランは子供の姿からは想像もできない意味深げな笑いを浮かべた。その姿に隊員達はほっと胸をなでおろした。


「アメリア!飯!」 


 ようやくかなめが革ジャンを着て現れた。その後ろからはいつもどおり司法局実働部隊の勤務服姿のカウラがついてきていた。


「私はいつからかなめちゃんの奥さんになったのかしら?飯なら自分で盛れば?いくら甲武のお姫様でもそのくらいは出来るでしょ?この前までは自宅で自炊していたはずだから」

 

 そのままにらみ合うかなめとアメリア。二人の寮で好き勝手やってきた女性上司の喧嘩に巻き込まれるのもつまらないと思って誠はそのまま食堂の隅にトレーを運んで行った。


「それじゃあちょっと休むからここ座るぞ」 


 そう言ってかなめ達ににらみをきかせるように、小さなランがちょこんと誠の前の椅子に座った。それを見て菰田が彼女を見つめている技術部の禿頭にハンドサインで茶を出すように合図した。


「菰田、気を使いすぎると老けるぞ。なー」 


 ランの言葉はそう言うが、一見幼女の彼女が老獪なのは知れ渡っていて指示された隊員が厨房に走った。


「まったく、つまらねー気ばっかり使ってるなら書類の書式くれー覚えて欲しいもんだな。高梨参事が愚痴ってたぞ。菰田は計算は正確だが、書類の書式をまだ完全に覚えてくれていねーって。まー計算が正確なのはパートの白石さんがチェックしてるからであって菰田の手柄じゃねーけどな」 


 そう言って足が届かないのでランは椅子から足を投げ出してぷらんぷらん揺らした。その隣にまるでいつもの『女王様』的態度をかなぐり捨てたかなめが太鼓持ちよろしく揉み手をしながら腰かけようとした。


「やはり器がでかいねえ、中佐殿は。じゃあ……」 


 かなめはそう言ってランの隣に座って自分の悪行の許可をランに求めようとした。


「『図書館』の件も許してくれるのよね!」 

挿絵(By みてみん)

 ランの隣に座ろうとするかなめを押しのけて食堂から飛び出してきたアメリアが顔を出した。


 『図書館』。本来は島田が部下に許してビデオやゲームなどを集めた一室を作っていたのが始まりだった。それがいつの間にやらエロビデオやエロ本の集積所となり男子隊員のある種の憩いの場と化していた。


 本来なら女性に見せたくないその部屋だが、アメリアが誠の護衛の名目でこの寮に居座ると彼女がさらに大量のエロゲーを持ち込んだ。その圧倒的な量でついには壁をぶちぬいて拡張工事を行い、現在『図書館』はちょっとした秘密基地と呼べるようになっていた。


 それからというもの、恥という感覚を部長のアメリアの洗脳で消し去られた運航部の女子隊員までもが自分の部屋に置ききれなくなった乙女ゲームや怪しい同人誌を持ち込んで出入りするなど、もはやそこはカオスと言える存在だった。


 食堂の全寮生の視線はその生殺与奪権のすべてを握る幼女、クバルカ・ラン中佐の背中に集中していた。


「ああ、その件ならサラから聞いてるぜ。勝手にしろよ。ただし……」 


 ランはそのまま隣のテーブルで自分の一挙手一投足を一つも見逃さないように構えている菰田に目を向けた。


「そこでアタシの写真に少しでも卑猥な加工でもしてみろ。どうなるか分かるだろ?……ロリコンは犯罪だ。特に目の前に『真紅の粛清者』と呼ばれた事が有る人物を相手にすると……命に関わる。そのくれーの常識の持ち合わせは……有るんだろーな?」 


 菰田に対して向けるランの眼光はとても見た目が8歳幼女とは思えない鋭い光を放っていた。遼南内戦末期の遼南共和国軍の切り札と呼ばれた彼女の鋭い眼光が、菰田の周りに座っていた『ヒンヌー教団』と呼ばれる菰田のシンパを射抜いた。


 ランの司法局実働部隊副長就任以来、菰田率いる貧乳女性『ぺったん娘』を信仰する秘密結社『ヒンヌー教』は以前からの神であるカウラ・ベルガー大尉をあがめる主流派とロリータなクバルカ・ラン中佐を愛好する反主流派の派閥争いが続いていた。


 菰田が周りを見回すと菰田と趣味を同じくする主流派の一同は安心したようにそれぞれ食事を再開した。一方、目をそらす反主流派の隊員の様子は冷や汗を流しまるで形状に引かれる死刑囚のような土気色の顔をしているように誠からは見て取れた。反主流派の一人の下士官が何かを思い出したように立ち上がるとそのまま食堂を飛び出していった。恐らく彼はランのアイコラ画像を消しに行ったに違いないと誠は思った。


「おう、分かれば良いんだ。なんだ、神前。食えよ。遠慮するな」 


 そのテーブルのメンバーを覚えたと言うように一瞥したランの一言で菰田達が乾いた笑顔を浮かべてるのを気にしながらランの正面に着席した誠はソーセージに食いついた。


「でも中佐殿が来てここの寮の名前がかなり看板に偽りありになってきちまったな。『男子下士官寮』って言うが男子でも下士官でもないのが増えすぎだろ」 


 アメリアが厨房に去るのを見送るとランの隣に腰かけたかなめはそう言ってすぐに味噌汁を啜り始めた。


「別に名前など問題じゃないだろ?それより、西園寺とアメリアの自分勝手な行動が問題なんだ」


 その正面の席の綱紀粛正には大賛成のカウラはそう言ってかなめと厨房の入り口でランの言動を監視しているアメリアに目をやった。 


「ベルガー。確かにそうなんだが、単純にそう言い切る訳にもいかねーんだわ」 


 カウラをさえぎってランが頭を掻く。


「なんと言ってもこの寮には隊の厚生費が使われてるからな。だからこの寮の寮費はこんなに安いんだ。管理部の高梨参事からも西園寺と同じこと言われたよ。今度の予算の要求でここの費用をどう言う名目で乗せれば良いかってな。頭いてーや」 


 そう言うランの前に菰田のシンパの隊員がお茶を運んで来た。


「世話になるな……まあ気にしねーでくれ」


 ランはそう言うものの、副隊長である彼女がこの半無法地帯の寮に住むことを気にしない寮の住人は一人としていなかった。


「ご苦労だな」 


 ランはそれをのんびりと飲み始めた。


「将校だけこの辺のアパートの相場の費用を取れば良いんですよ。そうすれば経理上はつじつまが合う。それにその方がここの食費に当てられる金額も増えます。士気も上がります……なあ!島田!」 


 経理を担当しているだけにそう言う時の菰田の頭の回りは速い。自分は下士官の主計曹長、敵の島田は准尉で士官。当然、バイクの部品の出費で首が回らない島田にとっては最大の嫌がらせになる。菰田はいつもの陰湿な笑みを島田に向けていた。


 だが、厨房から顔を出してものすごい形相で威圧しているアメリアを見て、菰田はそのままテーブルの上の番茶に手を伸ばして目をそらした。さらに准尉で菰田が目の敵にしている島田が厨房前のいつもの寮長専用席でサラの隣でプリンを食べながら指を鳴らして菰田を襲撃する準備を進めていた。


「それは高梨部長ことは寮生の報告で割れてるんだ。一番自重しなきゃならねー中佐が一番暴走してるって……なんとかならねーかな」 


 そう言って悠然とランはお茶を飲んだ。ランの標的にされたアメリアはこれ以上ランに関わるのは不利と感じたらしく、食堂の奥に引っ込んだ。


「上は今度の同盟軍教導部隊の発足準備のことで頭がいっぱいで、うちには余計な予算はつけたくないのが本音だろうからな。最近はこの物価の上がらないことで知られる東和でも物価も上がってるから、マジでここの食い物もちゃちなもんに変わるかも」 


 そう言いながらかなめが白米を口に運んだ。誠も言いたいことは理解できた。それに大食漢の誠にとって食の質の低下は能力の低下に直結した。ランに命じられて毎日20キロマラソンを勤務中にさせられている身としては厳しいところだった。


 予算が少なければ、人材が少ないのも『特殊な部隊』を奇人変人の集団に変えた一因だった。同盟機構の軍事機関の正式発足に伴い西モスレムで編成される部隊には次々と同盟加盟国のエースが引き抜かれていた。


 司法局実働部隊は問題児ばかりで引き抜きこそ無かったものの実働部隊の予算が削られることも当然想定できた。せっかくの第二小隊が引き抜かれることになれば目も当てられない。ただ、かえでの変態性は同盟機構も十分承知している話なので、それはあまり考えられる話では無かった。


「世の中お金なんですね……これで菰田君が部長代理のままだったらどうなってたことやら」


 アメリアは頼りにならないと言うか積極的に嫌っている菰田をそう言って貶して見せた。


「だから高梨参事が来たんだろうが!でも参事でもできることとできねーことがある。アメリア!オメーも運航部部長だったらそんくらい考えろ!第一、背広組のキャリアが出先の部長職なんて言う閑職を引き受けてくださったことだけでもありがてーことなんだぞ!そこんところをだな!」


 ランは高梨とは旧知の中なのでどうしても高梨の事を庇ってしまいがちになる。


「はいはい、でもうちが貧乏部隊なことには変わりないんじゃ意味無いんじゃないの?ランちゃん」


 確かに隊が貧乏なのは高梨参事が来ても変わらないことだった。それは第二小隊が隣の工場で訓練を受けていると言う事実からも誠でも分かる買えられない現状だった。


「貧乏だったら貧乏らしく生きる。『清貧』と言う言葉が有る。貴様等もその言葉をよく学んでおくことだ」


 ここでカウラがランの手助けに入った。ただ、誠は理系脳の語彙力ゼロの青年だったので『清貧』と言う言葉の意味が良く分からずにいた。ただひたすら、自分達が貧乏な境遇に置かれている事実を嘆くことしか誠にはできなかった。



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