【プロットタイプ】キャバクラの太客
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
キャバクラで靡き易い人って、まぁ何となく分かります。
ホストが呼ぶ客とは違うんじゃないかなぁ。
グループの男女比が男性に歌舞いている場合、所謂ハーレムという奴だ。その中の男性の性格というのは比較的分かり易い。
人をは侍らせる事が当然なので、上に立つ者という自負があり、闘争本能が強い。常に自分が一番でないと気が済まない。
女側の思惑や計算を、きっと知らないのだろう。それ故に偶に滑稽に思える。
その人は良く話す人だった。まず独り言が多い。周囲数mに響き渡るような声で話す。其れは『自分の話に乗って欲しい』という、遠回しなサインである。
取り分け女性陣が其れを拾い、話を広げていく。
――凄いですね。良く知ってますね。聞けば何でも答えてくれる。
そう担ぎ上げて、良い気分にさせる。
もしその人の話に乗らなかった場合、大抵は不機嫌になって、周りの空気が濁ってしまうから、みんなこぞって話乗っていた。
其れはキャバクラに訪れた太客にしか思えなかった。
「えぇ、今日もとても勉強になりました」
部屋のソファで脚を伸ばし、平日の疲れを癒して居ると、鏡花が話し掛けて来た。
「瑠衣、キャバクラで沼りそうな人って分かる?」
何時もの明るい、女を全面に押し出した様なものではなく、冷たい、人を見下す様な顔をしていた。俺が知っている女帝に似て非なるもの。
だが興味を惹かれて、目を合わせる。
「さぁな。行こうと思った事がない」
「そう。これは私の勝手な考え。だから妄想に過ぎない。けれどもさ、ハーレムのトップを陣取っているような人は入り浸るだろうね。 『自分は凄いんだ』『偉いんだ』『黙って褒め讃えろ』そんなのが見え透いて居る人は格好のかもだから、まぁ私なら狙うかな」
退屈そうでに髪を指に巻き付けて弄ぶその様は、夜の街で酒に溺れた嬢の様な空気があった。俺もその空気が嫌いではないので吸い寄せられる。
「単純なんだよ。褒めて容易く靡く人って。凄いやり易い。あとは平気で暴言吐かなければ完璧。格好の金ズル」
「純粋なんだろうな」
女の裏の顔を知らないぐらい。
ホストの場合は、居場所がない女の子。
どれだけ自分が駄目でも、何も出来なくても『良いんだよ』『此処にいて良いからね』と言われたがる子。
例え嘘でもそう言って欲しい子。
そういう子って、愛情に飢えているから、漬け込まれ易い。
『おめーなんて願い下げだよ!! もっと良い男持ってこいよ!! 釣り合わねぇだろ(#゜Д゜)』
という人はまぁ難しい。他を当たると思います。
ハーレム系、流行ってるじゃないですか。
あの主人公が成立するのは、多分、二次元だけです。
現実では、自信家で、闘争心が強く、自分が一番じゃないと気が済まないタイプ。
よく言えば王様気質。悪く言えば子供っぽい。
こういう人が多分、ハーレムのトップ。
まぁそういう人って、良くも悪くも自分の能力を誇示したがるし、其れを認めて欲しがる。
そうしてそうならないと不機嫌になる。
だから、気分が良くなる様な褒め言葉を立て続けに並べてあげれば、気に入ってくれます。
屁理屈ごねたり、全く話をしない人に比べて、遥かにやり易い。沼らせ易い。
言い方悪いですが、良い金ズルになります。
そうしてこうも思うんですよ。
この人、女の人のこと良く分かってないんだなぁと。
というか純粋なんだろうなぁ。
女性関係無かったか、痛い思いをしたことないんだろうなぁと。
女性が男性と会話する時、取り分け家族とか友人以外の人の場合、大抵本音で話してはくれないんですよ。
本音3割、上辺7割。
これは知らない人同士が集まった女子会同士でも起こります。
これを『本気で言ってくれてるんだ!!』と思うからいかんのですよ。
こちら側としては単なるリップサービス。
『私を買ってくれて有難う』『サービスしてあげる』ぐらいのものです。
よくキャバ嬢の方々が
『「可愛い」、「綺麗」ぐらいなら皆言ってる。引き止めたかったらシャンパン卸せ』
というのも、これに通じる話。
あの方々は自分を商品として売ってるので、冷やかしに来て褒め言葉で済ませる人々に興味ないんです。
『良い思いしたでしょ? 金払ってね?』
金払われてなんぼ。金が卸りなければ商品価値がないのと同等なんです。
例えば貴方が商人だったとして、賞賛だけして何も買わずに帰る人と、何も言わずに何か買う人、どっちが良いですか?
そういう事です。
女性が本気で本音で話すことは少ないんですよ。
其れは鏡花を見ていれば分かることでしょうが。