09旅の始まり
水を沸かしている間、ラニカが奴隷になった経緯を話してもらった。
12歳ぐらいなのに、よく両親を探そうと思ったな。
いろんな動物とオトモダチになろうと思ってたけど、それも大事だ。
よし、
「行こうラニカ」
「はい!」
『拙者は?』
「もちろん五郎丸もだよ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
歩いている。
毎日これはキツイ。
《物質創造》でなんか作ろう。
休めるとこはないかな。
あった。池がある。ここで少し休もう。
「ラニカ」「少し休むよ」
ラニカを座らせ、僕は池を覗く。
「なんかいないかな〜」
水は少し濁っている。
あれは? 赤いフナ?
「オトモダチにな〜って」
ー条件ー無し [キンギョ?]がオトモダチになった。
あなたはだあ〜れを使う。
============================
なまえ:こがね
種:キンギョ?(Carassius auratus?)
属性:泥
スキル:
《水棲》《浮遊》《水魔法Lv10》《土魔法Lv3》《浄化》
ユニークスキル:
《忠義》
称号:
〔異邦者〕〔陸に進出する魚〕
============================
?とは何だよ! こがね!?
「もしかして喋れる?」
『セ』『セイヤ様ですわ〜〜〜〜!』
『こがねのこと覚えているですわ?』
「もちろん!」「あのこがねだよね」
『はいですわ』『セイヤ様の下で飼われていたこがねですわ!』
「会いたかったよこがね!」
『こがねもですわ~~~!』
こがねの頭を撫でる。うん、嬉しそうだ。
「こがねは何でここにいるの?」
『それは……』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こがねもいつの間にかこの世界に来ていたようだ。
こがねにラニカを紹介。 すぐ、仲良くなれたみたい。 よかったよかった。
さて、移動手段を考えないと。 水だけだと死ぬぅぅ。 食べ物も必要だ。
《物質創造》で食べ物も作れるか?
「カレー」
ダメだな。というか、《物質創造》の発動の条件もわかんないわ。
「金」
出ない。
「《物質創造》」「金」
出た! 見た感じ、5cmほどの金の延べ棒が出てきたぞ。
「銀」
あれ? 出てこない。
「《物質創造》」「銀」
あっ、出てきた。 ということは、最初に《物質創造》と言う必要がある。そして、一回作るともう一度言わないといけないんだな。
「《物質創造》」「カレー」
出てこない。カレーはダメ?
「《物質創造》」「水」
出た。
「《物質創造》」「服」
ん? 僕のサイズ位のこれは、合成繊維? の服が出てきた。
有機物は出てこないと思ったけど少し違う?
「《物質創造》」「砂糖」
出ない。 そうだ!
「《物質創造》」「石油!」
出てきた! これはどうだ!
「《物質創造》」「ペットボトル!」
これも出てきた!
なら、これはどうだ?
「《物質創造》」「木炭」
うーん。出ない・・・・。
ここまでの事柄を整理すると、
1、無機物を作れる。
2、有機物は石油及びそれから作られるものなら作れる?
3、2に当てはまらない有機物は作れない。
『ピコンピコンッピコンピコンッ』
また、ステータスぅ?
どれ、
===============================
なまえ:セイヤハガノ
種:ヒト
スキル:
《聖魔法Lv1》《光魔法Lv1》
ユニークスキル:
《勇者》《聖剣召喚》
オリジナルスキル:
《オトモダチLv2》《物質創造Lv2》up↑
称号:
〔勇者〕〔異世界人〕〔生き物好き〕
===============================
さっき、めっちゃ使ったからだな。
能力を見よう。ほい、ぽちっ
===============================
《物質創造Lv2》
無から有を作るスキル。作ったものは無に返せる。物によっては作れない。料理は無理!
===============================
どうやって無にするんだ?
消去? 削除? 分解? 何て言えばいいんだよう。
《物質創造》→物の名前 なら逆にしてみよう。
「ペットボトル」「《物質創造》」
あっ、消えた。
僕の考えが当たった。ラッキー!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こがねによるとこの先に街があるらしい。それも、王都とは違う街のようだ。
こがねはこの世界に来てから空を飛べるようになったらしい。それで、街を見つけたんだとか。
問題は移動方法だ。 徒歩は時間がかかるし、バイクや車、飛行機は僕が運転できない。
悪路を走行できる乗り物ってあったっけ?
あっ、バイクはバイクでもマウンテンバイクがある!
僕もよく使ったな~。
そうと決めればラニカに乗りこなしてもらはないと。
「《物質創造》」「マウンテンバイク」
何も指定しないと物のサイズは僕が基準になるみたい。
ラニカ用も。
「《物質創造》」「マウンテンバイク子供用26インチ」
そういえば、ラニカの服……。 作るか。
「《物質創造》」「ラニカ用の服」
出来るか不安だったけど。サイズ合いそうだな。
「お~い、ラニカぁ~」
「はい、なんなのご主人様?」
「まず、これを着て」
「はい」
ボロの麻のようなものよりマシでしょう。
うん、似合ってる。 スゴく似合ってる。
「かわいいよ、ラニカ」
「ありがとうございます、ご主人様」
「よし、これに乗ってみて」
「これはなに?」 「ご主人様」
「マウンテンバイクって言うものでいろんな場所を走れるよ」
「どうやって乗るの?」
「こうやるのさ」 実演が手っ取り早い。
「えーっと」「ここにー」
「うわぁ!」
『ガシャン』
やっぱり、すぐ乗れないよな~。
練習させれば乗れるようになるかな?
「大丈夫?」
「練習すれば乗れるさ!」
「はい……」
「五郎丸~こがね~」
『何でござるか?』
『何ですわ?』
「そろそろ行くぞ~~~」 「ラニカもだよ!」
「はい!」
『はいでござる!』
『はいですわ!』
読んでいただきありがとうございます!
これで序章は終わりです。
ブックマークと評価をしてください!
作者のモチベーションにつながります!