08僕のスキル
「ラニカ」 「うん、覚えた」
よし、
「ラニカ」
「ファァアアイ」
「なんで僕に怯えていたのか教えて欲しいな」
「あのー」 「そのー」 「あなた様を鑑定したときにいろいろ出てきたんです」
「なにが?」
「スキルです」
「僕に見えるようにできない?」
「鑑定結果はわたしにしか見えません……」
書くものないかなー。
ガサゴソ、制服のポケットにメモ帳とシャーペンがあった。ラッキー! これに書いてもらおう。
「これに書いてくれない?」
「あのー」 「わたし、文字の読み書きできません」「ごめんなさい」
なんですと! じゃあ、話してもらおう。
「じゃあ、話してくれる?」
「はい」
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ラニカに話してもらった僕のスキル。確かにヤバそうなものがいろいろある。
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名前:セイヤハガノ
職業:標本の勇者
属性:死
レベル:15
スキル:
《針術Lv?》《調合Lv?》《光魔法Lv1》《聖魔法Lv1》
ユニークスキル:
《即死魔法Lv4》《勇者》《聖針召喚》
オリジナルスキル:
《オトモダチLv2》《物質創造Lv1》
オトモダチスキル:
《飛翔》《吸血》《病気媒介》
称号:
〔最強〕〔勇者〕〔異世界人〕〔生き物好き〕
詳細:
標本を司る勇者。歴代最強。怒らせたらヤバい。
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まず属性。 なんだよ、死って。 《即死魔法》も心当たりがないんデスケド。
僕って最強らしいよ。知らんけど。
《針術》や《調合》は心当たりがあるぞ。 僕は暇なときは虫とりか標本作りをしていたからな。
なんで、このスキルは出てこなかったんだろう。
あと、《聖剣召喚》が《聖針召喚》になっている? 針? 僕は針使いなの?
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ひとまず、ラニカに落ち着いてもらった。
僕の自己紹介まだだったな。
「ラニカ、僕は誠也」 「葉賀野 誠也だよ」
「ハガノセイヤ?」
「誠也が名前だよ」
「あなた様は何と呼んだらいいですか?」
呼び名? 誠也様はやだな。 あなた様もなんかやだ。
んー。 ご主人様でいっか。
「ご主人様って呼んでね」
「はい!」「ご主人様!」
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ヤバい、本当にお腹空いた。
「料理作ってくれない?」
「材料がないです」「ご主人様」
そうだった……。
ここになんかあるか?
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探すこと10分。何も見つからなかった。
「仕方ない」
人間は飲まず食わずで3日までなら生きられる。
そいえば、五郎丸のスキルに《水魔法》があったな。
水が出せるとしたらすげー助かる。
「五郎丸」
『何でござる?』
「水魔法やってくれない?」
『わかってでござる!』
五郎丸がゴニョゴニョ言っている。魔法を使うにはそういうのが必要なのか?
『放水』
五郎丸の前から水が出ている!
「これ飲めるの?」
『わからないでござる』
オーマイゴッド。煮沸すればだいじょぶだろう。
「一旦止めて」
『わかったでござる』
《物質創造》を試すか。
ポチッとな。
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《物質創造Lv1》
無から有を作るスキル。物によっては作れない。料理は無理!
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何が、無理! だよ。ラニカを買って良かったな。
まぁでも、何かと色々できそうだな。
どれ、
「《物質創造》」
しかし、何も起きない。
物の名前を言えばいいかな?
「鍋」
でた。
「ラニカ」
「はい!」
「火、おこせる?」
「出来ます!」
よし、これで水を飲めるようになるぞ。