03僕は料理ができません。
道があったので歩いてみた。すると横に森が見えたので入ってみようと思う。
と思っていたころが僕にもありました。
端的にいうと迷ったという訳です。
「そりゃ、何も考えずに入ったらそうなるよな」と言いながら進む。
ふと足に違和感を感じたのでしゃがんでみる。
「これは?」 どんぐりだ! 近くにある葉の形も見るにクヌギだろう。
まぁ、念のため。
「あなたはだあ〜れ」
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種:クヌギ(Quercus acutissima)
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植物はスキルがでないのかな?
近くにクヌギの木があるのか。どれ、探してみよう。
えっ。 よくみたらここほとんどクヌギじゃん。まだ葉があるから今の季節は夏? 樹液あるかな。
と思っていたらあった。そしたらいるではないか、誰もが聞いたことがあるだろうカブトムシが!
美味しそうに樹液飲んでるなぁー。そしたらお腹が空いてきた。でも僕の中はすぐオトモダチになりたいという心で埋め尽くされる。
よし。僕はオトモダチをかっこよくいう方法を考えた。
「僕とオトモダチになってよ!」
ー条件ー無し [カブトムシ]がオトモダチになった。
よっしゃーーーーーーー!
「では早速、あなたはだあ〜れ」
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なまえ:五郎丸
種:カブトムシ(Trypoxylus dichotomus)
属性:嵐
スキル:
《飛翔》《体術Lv7》《爪術Lv3》《風魔法Lv10》《水魔法Lv8》
ユニークスキル:
《忠義》
称号:
〔異邦者〕〔昆虫の王者〕
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強っ。 これが魔物?
でも、なまえが五郎丸になってるぞ。もしかしてあの五郎丸!?
カブトムシがこっちむいたぞ
『主』
「しゃべった!」
『主、拙者のことを覚えているでござるか?』
「君、本当にあの五郎丸!?」
『はい、幼少の頃からお世話になっている五郎丸でござる』
嬉しさがこみあげてくる。
「あ゛い゛だがったよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
『主、大丈夫でござるか!』
「……うん」
「だいじょうぶだよ」
「ただ、会えないと思っていた相手に会えたことが嬉しいだけだよ。」
『そうでござるか』 『主はなぜここにいるのでござるか?』
「それは……」
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五郎丸にこの世界に召喚された経緯を話した。五郎丸はこの世界に来る前は寝ていたらしい、そこで目が覚めるとこの森の地面にいたようだ。
『GUUUUUUUUUUUUUUU』
感情の整理がつくとお腹が空いてきた。
「ねぇ、五郎丸」
『なんでござるか?』
「くだものとか食べられるもの、ない?」
『拙者はいろいろ飛びまわっているでござるが、くだものは市場にしか見たことないでござるよ』
「ええぇぇぇ」僕、料理はできないし一々買っていたらお金なくなっちゃうよー。
『主は料理ができないのは知っているでござる』
カブトムシなのに僕が料理ができないことを知っているだと!?
『そこで拙者にいい考えがあるでござる』
「というと?」
『奴隷を買うのでござるよ』
「んん?」 なんと、平和な日本に暮らしていたカブトムシから奴隷という言葉がでてきたぞ。
「ちなみにどこで売っているの?」 僕は善良な日本人だが少し気になる。
『裏通りをぬけたところで売っているでござる』
「というか、なんで五郎丸は僕に奴隷購入を勧めるの?」 これは一番の疑問だ。
『奴隷の中には料理ができる者もいるでござる』『主にうってつけだと思うのでござる』『冒険者を雇わないのは、寝首をかかれることもあるでござるので、契約魔法で危害を加えられないからでござる』
長々と説明してくれた。
「よし」
「奴隷を買うぞ五郎丸」 『はい、主』