16また勇者
うーん。入れたのはいいけど、これじゃあお金がなくなっちゃうぞ。
あと、地図も探さないと。
ふと、見るとそれなりに立派な建物があった。
「ラニカ」「あれなに?」
「わかんない」
「五郎丸とこがねは?」
『わかんないですわ』
『拙者もわからないでござる』
人が出入りしているし、入ってみよう。
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受付みたいなところがある。聞いてみるか。
「すみません」「ここは何のところですか?」
「ここは冒険者ギルドです」
「登録ですか?」
登録? まだ何も言っていないのにせっかちだな~。何の登録かわからないけど、めんどくさいからしなくてもいいだろう。
「登録はしません」「それより、世界地図は売っていませんか?」
「地図でしたらあちらに売っております」
へー。
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地図を買った。この世界にも東西南北があるみたい。上が北だそう。コンパスで店員さんと確認しても同じだった。この世界は大きな磁石なのか~。
「これしまっといて、ラニカ」
とりあえず、街を出よう。
『ドサッ』
肩ぶつけられた。まぁ、無視しよう。
「おい、お前」
「はい、なんでしょう」
おめぇも無視しろやぁぁ!
「俺様が誰かわかっていてぶつけたんだな」
「はい?」 「僕は君と初対面だと思うんデスケド……」
「慰謝料払え」
背が僕と同じくらいなのに何を言っているんだ?
めんどくさいから逃げよう。
「あんた、この人が誰か知ってんの?」
取り巻き女Aがしゃべってる。
「存じません」
「世間知らずなお前に俺様直々に名乗ろう」
「俺様は、林竜輝だ!」
「いや、知らん」
「行こ、ラニカ」 「はい、ご主人様」
「この方はあの勇者タツキ様だぞ!」
取り巻き女Bがしゃべってる。
勇者? 佐藤君とユカイナ仲間達以外にも勇者がいるんだ。へー。
「慰謝料払わないならば、俺様と勝負だ」
意味わかんねー。お金と戦闘、何が関係するんだよ。
「意味が分かりません」
「俺様はその女が気に入った、そいつをを渡したら不問にしてやろう」
「嫌です」
「だからこその勝負だ、勝った方が負けた方から奪う実に合理的だろう」
確かに自然はそうだろう。
「僕が勝ったら?」
「お前が俺様に勝てるわけがないだろうが、ひとつ言うことを聞いてやる」
胡散臭いなー。でも、逃げたらもっとめんどくさそうだ。
「わかりました」
「最初からそうすればいいだろう」
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勇者ピカザウルスについていくと、さっきの冒険者ギルドに入った。それも、地下に。
とりあえず、ラニカに五郎丸とこがねを預ける。
何かあったら五郎丸とこがねがラニカを守ってくれるだろう。というか、銃を持っているからダイジョブか。
「お前は何の武器を使うんだ?」
時刻を使ってみよう。
「タツキ様~!!!!!」
うるせー。
ギルドの人が来た。
「相手が気絶及び降参した場合、決着がつきます」
「それでは、始め!!!!!」