11 魔物
「ご主人様、嘘だよね」「いつも寝てたあの三角の山には魔よけついてたよね?」
三角の山? テントのことか。 魔よけとはなんぞや?
「魔よけってなに?」
ラニカが頭を抱えて膝から崩れた。
立ち直った。
「何も知らないご主人様に教えます」
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ダンジョンと呼ばれる洞窟に入りながら、ラニカに説教のように魔物のことを叩き込まれた。
この世界で野宿をするには、魔よけの能力がある物を置いてないと、魔物に寝込みを襲われるらしい。
へー。
じゃあ、何かの武器持ってないと死ぬ?
「《物質創造》」「拳銃」
うわー。銃が出てきたよー。
どれ、
『カチッ』
ドーンという音と共に弾が出てきた。衝撃が強くて僕には扱えね〜わ。
ラニカに持たせよう。
「ラニカ〜」「これで戦って〜」
「これは、何なの?」
「拳銃って言う武器だよ」
「わかった」
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一瞬でマスターした。小学6年ぐらいの女の子が拳銃を……。僕はイケナイコトヲ教えてしまったような気がする。
僕も護身用になんか作ろう。
「《物質創造》」「スタンガン」
下手な剣よりマシだ。
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進む。この洞窟、天井が10mぐらいある。
ただ、まだ全然動物と出会ってない。
何か暗くなってきたな。
「《物質創造》」「ヘッドライト」
「《物質創造》」「ヘッドライト」
二つ作る。
一個をラニカにつけて、点灯!
「おぉぉぉ!」
周りの岩石に光があたって、輝いてる。綺麗だ。
ふと、天井を見るとびっしりとコウモリがいた。
「オトモダチになってよーーー!」
ー条件ー無し [キクガシラコウモリ]がオトモダチになった。
ー条件ー無し [キクガシラコウモリ]がオトモダチになった。
ー条件ー無し……
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種:キクガシラコウモリ(Rhinolophus ferrumequinum)
スキル:
《飛翔》《超音波》
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「どんだけいるんだよ・・・・」 無数のコウモリとオトモダチになった。
だから
『ピコンピコンッピコンピコンッ』
ソウナルヨナ……。
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なまえ:セイヤハガノ
種:ヒト
スキル:
《聖魔法Lv1》《光魔法Lv1》
ユニークスキル:
《勇者》《聖剣召喚》
オリジナルスキル:
《オトモダチLv4》up↑《物質創造Lv2》
称号:
〔勇者〕〔異世界人〕〔生き物好き〕
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どんな能力になったのかな。
ぽち。
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《オトモダチLv4》
①動物とオトモダチになれるスキル。
オトモダチになりたい動物(地球産)を視界にいれ、「オトモダチ」の言葉を発することでなれる。相手が拒否した場合その個体には1日使えなくなる。(同じ種には使用可能)また、相手が条件を出してくることもある。その場合条件をのむことでオトモダチになれる。(条件をのまないと襲われる危険性があるので注意)
②オトモダチを召喚できるスキル。
召喚するオトモダチを選び「召喚」と唱えることでオトモダチをその場に召喚できる。任意のタイミングで送還も可能。オトモダチが死亡時、召喚は使用不可。
③オトモダチにした種の能力を使えるスキル。
オトモダチにした種の能力を頭の中で考えることで使用可能。その能力は自分の体及び武器に反映する。任意のタイミングで解除が可能。オトモダチが死亡時でも使用可能。現在10種まで同時に発動可能。
④生き物の種名を調べるスキル。
視界に入った生き物にたいして「あなたはだあ~れ」と思うことで発動。スキルも調べられる。地球産の生き物と人に使用可能。死亡及び採集された生き物には鮮度と食の有無が表示される。
⑤オトモダチ図鑑を作れるスキル。
新しい種とオトモダチになることでその種が図鑑に登録される。「図鑑開本」と唱えることで見ることができる。累計登録数により新たなオリジナルスキルを手に入れられる。
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あなたはだあ~れで食べ物もかどうかわかるようになったみたい。
ま、いっか。
コウモリのエコーロケーションは確か、音波で形を調べるものだったな。
ヘッドライトがなくても周りがわかりやすくなりそうだな。
オトモダチの能力を10種まで設定できるようになったし。
能力をイエバエ、カブトムシ、アカイエカ、ドブネズミ、クロゴキブリ、キンギョ、キクガシラコウモリにする。
「音波はどうやって出すんだ?」
出来た!
『ーーーーーーーー』
目ではないが、この辺りの地形がよくわかる。
ん? 何かここにすごく小さいスキマがあるぞ。
「ラニカー」
「はーい」
「この隙間見える?」
「隙間?」 「うーん」 「そんなのは見えないよ」
おかしいな〜。どんでん返しみたいに回ったりしないかな?
押してみる。
「ふんぬっ」
『ガッコンッ』
「うわぁ!」
本当にどんでん返しだった。
「ラニカー」「こっち来てー」
『ガッコンッ』
ラニカもこっちに来た。
何でこんな仕掛けになってるんだ? 何かあるのかな?
というか暗い。 音波使おう。
『ーーーーーーーー』
何だあれ?
ライトを向ける。
あれは……。生き物か?
「ラニカ」
「はい?」
ラニカにあれが何なのか聞こうと思ったら、生き物と思わしきものと目があった。
『GYAOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!』